2026 年 4月 29日 (水)
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冷却コスト1/10&装置小型化へ…韓国ETRIが挑む「宇宙空間レベルの温度で動作する量子素子」

ETRIが開発した位相絶縁体ベースの高温キュービット素子実現のための実験用チップ=ETRI(c)KOREA WAVE

韓国電子通信研究院(ETRI)創意源泉研究本部の位相絶縁体創意研究室が、従来より数百~数千倍高い温度である1~4K(ケルビン)環境でも量子特性を維持できる色中心材料および素子技術を開発した。ETRIが28日明らかにした。次世代の超伝導キュービット実現に向けた要素技術が確保された形で、1~2年以内に量子コンピューターの極低温の壁が本格的に打ち破られるかどうかに関心が集まっている。

ETRI位相絶縁体創意研究室のイ・ウジョン室長は、メガ・ニュース(MEGA News)のパク・ヒボム記者の取材に対し、「キュービット自体を実現した段階ではない。1~4Kで動作するキュービットを作ることは決して容易ではない。現在はそのようなキュービット実現のための材料と異種接合界面制御技術を確保したと見ればよい。2026年前半にキュービット設計図が出る。1~2年以内にキュービットを製作するためのハードウェア単位の工程技術を確保できると見込んでいる」と語った。

現在、超伝導ベースの量子コンピューターは数十mK(ミリケルビン、0.001Kレベル)という極めて低い温度でのみ動作するため、希釈冷凍機のような大型装置が不可欠だ。これは量子コンピューターの商用化と大衆化を妨げる大きな制約の一つと指摘されてきた。

研究チームは、位相絶縁体「ビスマスセレナイド」薄膜をウェハ上に均一に成長させる技術と、超伝導体と位相絶縁体が接する境界(異種接合界面)を精密に制御する技術を開発した。

この材料は従来より約数百~数千倍高い温度である1~4K環境でも量子特性を維持する。また、この材料を4インチウェハ規模に拡張することにも成功した。異種接合界面で発生する原子拡散を制御し、超伝導特性が維持される条件を確保した。

1~4Kの温度は−272~−269度という非常に低い温度だが、宇宙空間の平均温度(約2.7K)と同程度だ。これは従来の超伝導量子コンピューターが要求する温度よりはるかに高い温度だ。研究チームは、今後この技術が実際の量子素子として実現されれば、数十億ウォン規模の希釈冷凍機の代わりに比較的安価な汎用極低温冷凍機(クライオクーラー)の使用が可能となり、冷却システム構築コストを約10分の1に削減できると予測している。

現在の超伝導量子コンピューターのサイズは冷却設備が大半を占めている。研究チームは、この技術がすべて開発されれば、冷却設備の簡素化により装置のサイズが従来のコンテナレベルからサーバーラックレベルへと小型化されると見込んでいる。

(c)KOREA WAVE

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