
2026年1~3月期に韓国造船大手3社、HD韓国造船海洋、ハンファオーシャン、サムスン重工業が受注した液化天然ガス(LNG)船の貨物タンク設計の大半を、フランスのGTTに依頼していたことが分かった。3社はロイヤルティーに当たる設計費として、計3500億ウォン(約378億円)規模を支払うと推定される。
韓国政府はLNG貨物タンクの国産化を積極的に進めているが、限界があるとの見方も出ている。発注者が検証されていない資機材を簡単には選ばないとの懸念があるためだ。今後、LNG貨物タンクの国産化過程でGTTとの紛争が生じる可能性も指摘される。
業界によると、フランスのLNG貨物タンク設計専門企業GTTは2026年1~3月期、世界の造船会社から計29件のLNG船タンク設計注文を受けた。このうち19件がHD韓国造船海洋9隻、ハンファオーシャン4隻、サムスン重工業6隻の物量だった。
特にサムスン重工業とハンファオーシャンは、1~3月期に受注したLNG船のタンク設計をすべてGTTに依頼した。HD韓国造船海洋も、受注したLNG船10隻のうち9隻のタンク設計を注文した。事実上、3社の1~3月期受注分の大半を任せた形だ。
LNG貨物タンクは、気体状態の天然ガスを超低温で圧縮・液化し、貯蔵・運搬する設備で、特殊な設計とエンジニアリング技術が使われる。
現在、GTTはLNG貨物タンク設計市場の80%以上を占めている。韓国の造船会社がGTTとLNGタンク設計契約を結び、貨物タンク技術を使う場合、船価の約5%をロイヤルティーとして支払うとされる。
2026年1~3月期にHD韓国造船海洋、ハンファオーシャン、サムスン重工業がLNG船タンク設計を依頼した19隻の受注額は、計7兆ウォン(約7560億円)規模だ。これを踏まえると、ロイヤルティー規模は3500億ウォン(約378億円)に達すると推定される。現在、LNG船1隻の受注額は3500億~3700億ウォン(約378億~約400億円)水準で、事実上、船1隻分の価格をロイヤルティーとして支払う計算になる。
外貨流出を防ぐ面でも、LNG貨物タンクの国産化が急がれるとの指摘がある。KDB未来戦略研究所のパク・ソンス専任研究員は「ロイヤルティーがLNG船建造収益に匹敵する状況だ」とし、「国産化に成功すれば、関連造船会社の業績は大きく拡大する」と述べた。
過去に韓国政府と業界は、韓国型LNG貨物タンク「KC-1」開発プロジェクトを進めたが、品質と信頼性の問題で商用化には至らなかった。その後、後続モデルのKC-2開発が再開され、サムスン重工業は独自開発した小型LNG船用貨物タンクの実証まで終え、国産化の可能性を示した。
特にサムスン重工業のKC-2Cは7500立方メートル級LNG船に初めて商業搭載され、実際の運航も終えた。政府も最近、官民合同体制を稼働させ、国産化支援に乗り出している。
韓国海運協会関係者は「LNG貨物タンクの国産化に向け、海運と造船が相互協力している。技術の安全性が最も重要な部分だと判断している」とし、「結果的に国益に役立つと考える」と話した。
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