
韓国の環境家電レンタル市場が、「人工知能(AI)ウェルネスホーム」プラットフォームを巡る競争へ急速に再編されている。
浄水器や空気清浄機を中心としてきたレンタル事業が、健康、睡眠、情緒管理にまで広がり、企業の収益モデルも製品販売からデータ基盤のサブスクリプションサービスへ移る流れが鮮明になっている。
韓国発の医療機器メーカー「セラゼム」は最近、70社が参加する「ヘルスケア・アライアンス」を発足させ、「フィジカルAI」基盤のヘルスケアプラットフォーム戦略を公式化した。
セラゼムは、睡眠、運動、脊椎、筋肉、皮膚、メンタルヘルス、水、空気管理などの「セブンケア」領域を統合し、生体データを基盤とする超個人化ウェルネス環境を実現する構想だ。
「私を最もよく知る、生きて息づく家」をコンセプトに、住空間そのものを健康管理プラットフォームに変えることを目標に掲げる。そのため医療、フィットネス、フードテック、セキュリティー、スマートホームなど多様な分野の企業と協力し、政府のデジタルヘルスケアや高齢者親和政策と連携したモデル拡大も進める。
既存のレンタル大手であるコーウェイも、AI基盤のサブスクリプション型ウェルネスモデルの強化に乗り出した。
コーウェイは、浄水器、空気清浄機、マットレスにAIを組み合わせた「マイAI」サービスを通じ、利用者のライフログを分析し、睡眠や癒やしまで管理するサービスを拡大している。
さらに、シルバーケア子会社のコーウェイライフソリューションを中心に、レンタル製品とケアサービスを結合した商品を増やし、シルバータウンやホテルなど企業間取引(B2B)の提携も広げている。
SKインテリックス(旧SKマジック)は社名変更後、「ホームケアハブ」戦略を前面に打ち出した。ウェルネスロボット「ナムエックス」は、自律走行と音声制御機能を基盤に家の中を移動しながら空気質管理やバイタルサインのチェックを担い、利用者の健康・環境データを収集、分析する役割を果たす。
これらの企業に共通するのは、長期サブスクリプションとデータ蓄積を基盤に収益構造を組み替えている点だ。契約期間が長くなるほどデータの精度が高まり、それを活用したオーダーメード型コンテンツ、健康リポート、保険、ヘルスケア商品の推薦など追加の売り上げにつながる構造である。
業界では、AIヘルス・ウェルネスのサブスクリプションモデルが、環境家電とヘルスケア全般の事業構造を変えているとの分析が出ている。
ただ、データ収集の高度化に伴う個人情報保護や、医療領域への踏み込みを巡る論争は解決すべき課題とされる。睡眠パターン、情緒状態、生活動線、訪問記録などの機微情報が蓄積されるだけに、個人情報の保護と活用範囲を巡る基準づくりが必要だ。
(c)news1