
韓国の大韓航空が「安全は絶対に妥協しない」を掲げ、全方位での投資と内部体制の強化に踏み切っている。アシアナ航空との統合を控え、グローバル競争が本格化する中で、顧客信頼の基盤となる安全確保に万全を期す構えだ。
同社は仁川国際空港第2ターミナル滑走路近くに大規模な整備格納庫を新設する。敷地面積は約6万9300平方メートルで、総額1760億ウォン(約193億6000万円)を投じる。2027年に着工し、2029年末の稼働を目指す。中大型機2機と小型機1機を同時に整備でき、重整備や改修にも対応することで効率向上を図る。
エンジン整備では試験設備(ETC)を増設する。現在建設中のエンジン整備クラスターが完成すれば、整備から性能試験までを一拠点で完結できる体制が整う。統合後はグループ機材が約300機規模に拡大する見込みで、多様なエンジンへの迅速対応を狙う。
2026年上半期からは両社の運航乗務員の定期訓練プログラムを統合する。オンライン教育システムの一本化や遠隔リアルタイム教育の構築、シミュレーター訓練と評価の標準化はすでに完了。共同開発したシミュレーター課程を実運用に適用している。統合直後も従来同様の安全水準を維持するための措置と位置付ける。
機内でのモバイルバッテリーの充電・使用禁止(1月26日施行)など、運航安全を最優先に据えた運用も徹底している。非常口の不正操作など安全を脅かす行為には「無寛容原則」で対応する。
情報セキュリティ分野でも体制を強化した。AI活用規程を整備し、社内データベースへのアクセスは「必要な時に、必要な対象に、最小限」の原則で管理する。24時間体制のサイバーセキュリティ管制センターを中核に、ISMSやISO27001などの認証取得により体制の有効性を示している。
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