
韓国で物価高とウォン安が長期化する中、流通業界の消費行動が「大容量・低単価」志向へと急速にシフトしている。実店舗の倉庫型ディスカウント店に加え、オンラインでもまとめ買い需要が広がり、「バルク消費」が新たなトレンドとして定着しつつある。
流通大手のSSGドットコムによると、2026年1~3月期の「トレーダーズ配送」の売り上げは前年同期比38%増加した。倉庫型店舗の商品をオンラインで注文し、自宅で受け取るサービスで、生活費上昇を背景に一度に大量購入する動きが強まった結果とみられる。
特に生鮮食品の伸びが目立つ。売り上げは44%増加し、卵は59%、果物は52%、精肉は45%といずれも大きく増えた。60個入りの卵や箱売りの果物、1~2キロ単位の肉など、大容量前提の商品が販売をけん引した。
冷凍食品や簡便食の需要も拡大し、売り上げは約40%増加した。チャーハンのまとめ売りや大容量の餃子、揚げ物などが人気を集め、キムチや総菜といった保存性の高い食品も大きく伸びた。
この傾向は加工食品や日用品にも及ぶ。コーヒーや茶は72%増、健康食品は43%増となり、長期保存が可能な商品への需要が集中した。紙おむつは114%増、ヘルスケア商品は90%増と非食品分野でも伸びが続いている。
オフラインでも同様の動きが確認されている。イーマートが展開する倉庫型店舗「トレーダーズ」は、同期間の売り上げが約9.7%増と全体の伸びを大きく上回った。一方、イーマート全体の売り上げ増加率は1.9%にとどまり、消費が低価格チャネルへ移行している実態が浮き彫りとなった。
世界的にも同様の流れが見られる。米国のコストコは直近四半期で売り上げ9.2%増、純利益13.8%増を記録した。韓国でも売り上げは7兆ウォン(約7700億円)を超え、会員更新率は約90%と高水準を維持している。
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