
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が6月4日で就任1年を迎える。引き継ぎ委員会なしでただちに国政を担ったイ・ジェミョン大統領は、この1年間、前政権末期の非常戒厳による混乱収拾と国政正常化に集中してきた。
◇内政の正常化と対国会・国民のコミュニケーション
就任直後、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領らによる違法な非常戒厳や韓国のユン前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏らの処罰を進める「3大特別検察官」関連法案を審議・議決し、内乱清算に着手。人事では非イ・ジェミョン系や保守陣営の人物を起用する挙国的な人事を図った。また、25万ウォンの民生回復消費クーポンの支給や、国会との「与野党・政府民生経済協議体」の稼働で民生安定と協治に努めた。さらに、閣議の生中継やSNSを用いた国民との直接対話により、透明な国政運営を推進している。
◇経済の成果と不動産・中東戦争の課題
最大の成果は株式市場の活況で、就任時に約2770だったKOSPI指数は半導体スーパーサイクルも重なり8400ポイント台を突破した。米トランプ政権の関税圧力に対しては、2025年10月のAPECに合わせた首脳会談で相互関税を15%に引き下げる合意を導き、原子力潜水艦の導入提案でも前向きな回答を得た。
一方で、初期に安定していた住宅価格が再び揺れ動いており、地方選挙後の追加の投機抑制策が最優先課題となっている。また、急遽発生した中東戦争によるエネルギー危機や、物価高・ウォン安・高金利の「3重苦」への対応にも苦心している。
◇実用外交の展開と対北・対米の難題
対外政策では実用主義を掲げ、G7サミットへの出席や日韓シャトル外交の復元など外交正常化を急いだ。特に慶州APECでの米中首脳との会談や、2026年の習近平国家主席との2回目の首脳会談(北京訪問)により、韓中関係の全面的な復元に乗り出している。
しかし、北朝鮮は融和姿勢を無視して中露への接近とミサイル挑発を続けており、南北関係の改善は見通せない。米国との間でも、関税交渉後の対米投資や防衛費分担、戦時作戦統制権の返還を巡る難しい交渉が残されている。
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