
韓国の京畿大学と韓国標準科学研究院の共同研究チームが、血液一滴でアルツハイマー病を早期に検出できる超高感度バイオセンサーを開発した。
研究チームは、アルツハイマーの主要な異常タンパク質を極めて微量の段階で検出できる技術を確立し、症状が現れる前の段階で診断できる可能性があるとしている。
今回の成果の鍵は、従来のトランジスタ型バイオセンサーの課題だった「デバイ長の限界」を克服した点にある。血液中のイオンがセンサー表面に障壁を形成し、信号伝達を妨げる問題を、ナノレベルの微細構造で解決した。
具体的には、半導体表面にナノメートルサイズの溝を形成し、信号が溝の端に集中するよう設計した。これにより、弱い疾患信号が自然に増幅される仕組みを理論と実験の両面で実証した。
実験では、アルツハイマーの代表的なバイオマーカーであるタウタンパク質を、1フェムトモル(fM)という極めて低い濃度で検出することに成功した。これは実際の患者で観測される濃度を下回る水準であり、発症前の段階でも異常を捉えられる可能性を示している。
さらに、このナノ構造は半導体製造技術「ナノインプリントリソグラフィー」を用いて量産が可能で、将来的には低コストの使い捨て診断チップとしての実用化が期待される。
研究成果は材料科学分野の国際学術誌「Advanced Functional Materials」に掲載され、表紙論文にも選ばれた。
(c)news1