2024 年 4月 26日 (金)
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専用政策ファンドを求める声 [KWレポート] サイバーセキュリティ 置き去りにされた業界 (3)

(c)MONEYTODAY

韓国インターネット振興院(KISA)の依頼でENFアドバイザーが昨年12月に作成した「国内サイバーセキュリティ産業活性化のためのファンド造成方案」報告書。ここでは、現在の韓国サイバーセキュリティ産業について「量的成長に比べ、質的成長は低調な状態」という認識が示され、質的成長のための企業大型化に「政府の財源投入が必要だ」と強調している。

グローバルサイバーセキュリティ市場の規模は、2021年の段階で132億ドル(約177兆ウォン)。米国が40.9%を占め、中国(99億ドル、7.5%)英国(86億ドル、6.5%)、日本(71億ドル、5.4%)、ドイツ(66億ドル、5%)が後に続く。韓国は35億ドルで、日本の半分にも満たない。

ただ、報告書は仮に毎年300億ウォン規模の政策ファンドが投資される場合、韓国サイバーセキュリティ市場を2030年ごろに倍以上に拡大でき、4位の日本を追い抜くことはできると展望している。

◇民間や外国人を引き出せる「呼び水」

現在、サイバーセキュリティ部門に対する政策ファンドが全くないとは言えない。中小ベンチャー企業省は先月、4805億ウォンの政府出資で1兆755億ウォン規模の母胎ファンド造成案を発表した。

このうち、政府出資1000億ウォンを加えて計2000億ウォン程度で造成される超格差ファンドの投資対象の10のリストに「サイバーセキュリティやネットワーク」が入っている。

残りの9つには▽バイオ▽未来モビリティ▽エコ・エネルギー▽ロボット▽システム半導体▽ビッグデータ・AI(人工知能)▽宇宙航空・海洋▽次世代原発▽量子技術――などがある。

しかし、この超格差ファンドの10の投資対象のうち、残りの9はすでに相対的に民間投資が活発化している分野だ。半面、サイバーセキュリティはそうではない。母胎ファンドを委託されて運用する民間投資会社の立場からも、サイバーセキュリティ以外の他の部門にさらに集中する公算が大きい――これがサイバーセキュリティ業界の懸念だ。

専用政策ファンド造成が、思ったより少ない資金でも大きな効果を上げることができる――今回のENFアドバイザーの報告書は、この点を示唆する。情報セキュリティ業界のある関係者は「ただ50億ウォン、100億ウォンでも良いのでサイバーセキュリティだけに投資される専用政策ファンドが必要だ。専用政策ファンドの投資は、民間や外国人投資家の資金を引き出せる呼び水になるだろう」とみている。

(つづく)

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