2024 年 4月 25日 (木)
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加速するデジタル転換への対応 [KWレポート] サイバーセキュリティ 置き去りにされた業界 (5)

訪問者の動きと視線を追跡するディーピング・ソースの動線トラッキング技術(資料=ディーピング・ソース)(c)MONEYTODAY

新型コロナウイルス感染で高まった非対面需要と人工知能(AI)の発達で加速化したデジタル転換により、サイバーセキュリティの重要性はさらに高まっている。

韓国でも、サイバーセキュリティスタートアップが続々と登場し、頭角を現している。硬直した政府規制で生存が容易でない韓国サイバーセキュリティ市場において、差別化された技術力で成長している。

昨年7月、210億ウォン規模のシリーズA投資を誘致した「クリプトラボ」は「同型暗号」源泉技術を保有した暗号技術スタートアップだ。2017年に「暗号学の大家」であるソウル大学数理科学部チョン・ジョンヒ教授が設立した。

◇暗号技術

クリプトラボの核心技術である同型暗号は、暗号化されたデータを別途に解釈しなくても演算・分析できる暗号技術だ。同型暗号の最大のメリットは安全性と効用性。既存の暗号技術で保存されたデータを演算するためには、先に解釈しなければならないが、この過程で主に流出事故が起きる。

しかし、同型暗号は別途の解釈が必要なく、流出の危険性が少ない。仮にデータが流出しても、暗号化された状態であるため、ハッカーがどういう意味のデータなのか調べるのは事実上不可能だ。

クラプトラボは同型暗号の短所である処理速度も大幅に改善した。マイクロソフト(MS)の同型暗号ソリューションよりも処理速度が90倍速い。市場調査機関のガートナーは技術報告書を通じて、MS、IBMなどグローバル主要IT会社を抜いて、クラプトを同型暗号モデル販売企業に選定した。

◇個人情報伏せてデータ収集

2018年に設立された「ディーピング・ソース(Deeping Source)」は、AIによる映像データ非識別化ソリューションを提供するスタートアップだ。AIでCC(閉鎖回路)テレビ(TV)に撮られた映像の中の個人情報は隠してデータだけで収集する技術を持っている。

CCTV映像がディーピング・ソースのAIボックスを経ると、肉眼ではわからないノイズ画面に変わる。代わりにAIは画面の中のオブジェクトを認識し、これをテキスト情報として提供する。例えば、ソウルの大型コンベンション・センター「コエックス(COEX)」のある展示館から出てきた人の性別は何なのか、どこを眺めているのか――などの情報を提供する。

ディーピング・ソースの主な活用先は流通企業だ。顧客の動線を把握し、マーケティングと在庫管理に活用できるようにしている。現在、韓国の主要流通企業に関連サービスを提供しており、最近、日本や米国、そして個人情報に敏感な欧州からもラブコールが送られている。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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