2024 年 3月 28日 (木)
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代表的な「嫌悪施設」 [KWレポート] 韓国刑務所の“無作為容疑” (2)

(写真=gettyimagesBank)(c)MONEYTODAY

矯正施設の過密問題は最近始まったことではない。

法務省矯正統計年報によると、矯正施設の収容率は2012年に99.5%だったが、その後の11年間、100%を超え続けている。

すし詰め状態の狭い監房は、国会国政監査でも毎年指摘されている問題だ。

憲法裁判所も2016年、過密収容に対して「人としての尊厳と価値を侵害する」として違憲決定を下している。最高裁は昨年、1人当たり2平方メートル未満の空間に収容された収容者に、国が慰謝料を支給すべきだという判決を出している。

矯正施設の収容率は2016年に121.2%でピークに達した後、昨年(104%)にまで落ちている。

なぜか。

2020~21年、矯正施設内で新型コロナが拡散したことから、法務省が積極的に仮釈放を許可したことがまず挙げられる。また、新型コロナ感染の影響で、身柄を拘束しての捜査などが減ったことも影響を与えている。

◇制度の改善に着手

過密問題の「正攻法」の解決策は、施設の新築・移転だ。

だが、これは現実的に容易ではない。

矯正施設は代表的な「嫌悪施設」で、地域住民の反対が激しい。

釜山では、拘置所・刑務所の建設から半世紀近くが過ぎているうえ、過密収容まで重なり、10年ほど前から移転議論が進められている。

だが、住民の反発で何度も振り出しに戻っている。

法曹関係者は次のような見解を示す。

「地域の住民だけでなく、自治体首長やその地域から選出される国会議員も反対しているため、矯正施設の新築は非常に難しい。矯正施設の空間が限られているのに犯罪は増える傾向にある。過密収容になるしかない」

法務省は最近、過密問題の解決と矯正・教化の実効性を高めるための研究をするよう発注し、制度の改善に着手した。同省関係者は「矯正実務の全般を検討し、人権尊重や、グローバルスタンダードに合った収容者処遇のための法律を整備する」と強調している。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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