
アルバイト応募者からの通報をきっかけに、韓国警察が私服での潜伏や追跡捜査を展開し、特殊詐欺(ボイスフィッシング)組織の監視役を担っていた中国籍の男を準現行犯で逮捕した。
ソウル永登浦警察署は15日、詐欺容疑などで中国籍の男を逮捕し、捜査を進めている。男は現金回収役から被害金を受け取り、だまし取ろうとした疑いが持たれている。警察は、男が現場で現金回収役の動きを監視する役割だったとみている。
事件の端緒は、現金回収役として雇われそうになったアルバイト応募者からの通報だった。
通報者は数日間にわたり、少額の交通費や食費を受け取りながら「周辺の写真を撮影する」という単純な業務だけをこなしていた。しかしその後、ソウル市銅雀区の指定場所に移動し、そこに保管されている現金を持ってくるよう追加の指示を受けたことで犯罪への関与を疑い、警察に相談した。
通報を受けた新豊地区隊は状況を把握するため、ただちに連携する永登浦署の強力チームとともに作戦に乗り出した。通報者が持参した現金の束を確認したところ、約1100万ウォン(約121万円)相当に上ることが判明。警察は実際の被害が発生していることを確認し、組織側が通報の事実に気づいていない隙を突いて検挙を試みた。
警察は、通報者の安全を確保した上で、本物の現金の代わりに「偽の現金束」を用意。私服姿で組織が指定した接触場所へと向かった。
しばらくして現場に容疑者の男が現れた。男は警戒心が強く、警察の追跡をかわすために接触場所を転々と変えていたが、捜査員の観察力が光った。同行していたキム・ミンギ警監(警部)が、通報者の周辺をうろついていた男の「靴」を記憶しており、容疑者の特定に至った。
捜査員が身分証の提示を求めると、男は拒否して逃走を図ったが、現場にいたソン・ジウン警長(巡査長)らによってその場で取り押さえられた。
容疑者を逮捕したソン警長は「他管轄の事件ではあったが、今逃せばさらに被害が拡大すると判断して検挙に踏み切った」と振り返り、「市民の平穏な日常を守るため、今後も全力を尽くす」と語った。
また、今回の事件を教訓として「『お金を持ってきてほしい』『誰かに渡してほしい』といった内容のアルバイトは、犯罪に巻き込まれる可能性が非常に高い。少しでも不審に思った場合は、すぐに警察へ通報してほしい」と注意を呼びかけている。
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