2026 年 6月 23日 (火)
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「米国の胸三寸でAIが止まる」危機感に揺れる韓国、583億円を投じる「ソブリンAI」開発の焦燥

アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)(c)AFP/news1

米国政府が安全保障上の懸念を理由に、米AI(人工知能)新興企業アンソロピックの最上位モデルへのアクセスを全面的に中断する輸出管理指針を出した。政府の措置によって公開済みのAIモデルが取り下げられた初の事例となり、国際社会では他国技術への依存を排した独自AI、いわゆる「ソブリンAI」の重要性に再び関心集まっている。

IT業界によると、米商務省はアンソロピックに対し、最上位の大規模言語モデル(LLM)である「クロード・ミトス5」と「クロード・フェーブル5」を外国人に提供・輸出する際は個別許可の申請を義務付ける書簡を送付した。同社側は接続者の国籍をすべて確認するのは困難として、該当モデルへの接続自体を全面的に中断した。米政府はAIの制限を迂回する「脱獄(ジェイルブレイク)」によるセキュリティー上の懸念を理由に挙げているが、アンソロピック側は公式ブログで「安全装置は強力であり、汎用的な脱獄方法は見つかっていない」と反発。政府の方針には従いつつも、根拠が不十分だと指摘している。

明確な根拠を欠いた状態でも「安全保障」を掲げれば高性能AIへの接続が遮断され得ることが実証されたため、韓国などでは「AIの自立」を急ぐ声が強まっている。韓国のイ・ジェミョン(李在明)政権は科学技術情報通信省を副首相級省庁へ格上げし、5300億ウォン(約583億円)を投入して独自AIの基盤モデル開発プロジェクトを進めている。このプロジェクトに参画するAI企業アップステージのキム・ソンフン代表は「米国も中国もその気になれば自国のAIを止められる。政府レベルで10倍以上の画像処理装置(GPU)支援が必要だ」と訴えた。

一方で、政界の動きに伴い政策の持続性を疑問視する冷ややかな見方もある。ソブリンAIの重要性を主導していた大統領府高官が任命から1年未満で辞任して国政選挙に出馬したことから、業界内では本気度を疑う声も漏れる。

こうした政府主導のプロジェクトとは別に、民間ではセキュリティー体制を強化するための大規模な協力体が発足した。社団法人プロジェクトプラズマは17日、AI基盤の脆弱性防御に向けた公益イニシアチブ「プロジェクトキャノピー」を発足させたと発表。サムスン火災保険や現代自動車グループ、LG電子など国内の主要27企業・機関が参加し、6月中旬から脆弱性の点検や情報共有に乗り出す。7月初めには世界中から参加企業を募る計画で、国家の枠組みを超えた民間主導の防衛策としても注目されている。

(c)news1

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