
韓国で、結婚相手として医師や弁護士などの「専門職」よりも、サムスン電子などの「大手IT・工学系企業」に勤める会社員を支持する声がネット上で話題を呼んでいる。長年の修行期間や過酷な競争を背景に、より現実的で安定した選択肢を求める現役世代の本音が垣間見える。
発端は、会社員向けの匿名コミュニティーアプリに掲載された、女性公務員とみられる人物の投稿だ。投稿者は、20代のころは無条件に専門職が最高だと思っていたが、30代になり不動産価格の高騰などを目の当たりにする中で「職業の限界が見え、結局は実家の資産の方が重要だと気づいた」と主張した。
その上で各職業の現実を分析し▽医師は一人前になるまでに約16年かかり、その間の収入が低い▽40代前半で開業しても再び借金を背負うリスクがある――と言及。弁護士や薬剤師についても、一部の大手を除けば待遇が厳しく、将来的な昇給も見込みにくいと否定的な見方を示した。
一方で、投稿者が「最も魅力的な結婚相手」として挙げたのが、ソウル大などの名門大学院を卒業し、サムスン電子やSKハイニックスといった大手半導体企業などに勤務する工学系の男性だ。名門大の院卒という経歴自体が安定した家庭環境の証明になり、苦労が長かった専門職に比べて配偶者に過度な見返りを求めない傾向があること、また若いうちから高い給与を得られるため「コスパが良い」ことなどを理由に挙げた。
この投稿に対し、ネット上では「医師を過小評価しすぎだ」との反発も一部であった。しかし、投稿者が「医師をおとしめているのではなく、それほど苦労が多いという意味だ。だからこそ、今政府が進める医学部の定員増員に医師たちが猛反発している理由がよく分かった」と応じると、多くの共感が寄せられた。他のユーザーからも「医師よりサムスン勤務の方が現実的な選択肢に見えるのは率直な気持ちだ」「ここ数年で人気が逆転したのは事実」といった声が相次いでいる。
厳しい受験競争や住宅価格の高騰が続く韓国社会。若者の結婚観が、かつての華やかな肩書きから、より早期の安定や効率性を重視する方向へ変化している実態が浮き彫りになっている。
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