2026 年 4月 29日 (水)
ホーム政治「なぜKBSだけが犠牲に?」15億円超の中継権料…韓国・民放が撤退し公営放送が“赤字覚悟”で背負う異常事態

「なぜKBSだけが犠牲に?」15億円超の中継権料…韓国・民放が撤退し公営放送が“赤字覚悟”で背負う異常事態

JTBC「2026北中米ワールドカップ」(c)news1

韓国JTBCとKBSによる「2026北中米ワールドカップ」の共同中継が決まり、視聴機会が失われるとの懸念はひとまず和らいだ。ただ、民間事業者が確保した高額の中継権料を、公営放送が事実上背負う形になったのではないかとの論議が強まっている。

放送業界によると、JTBCはKBSとの共同中継を確定した。契約規模は約140億ウォン(約15億4000万円)とされる。一方、MBCとSBSは交渉から外れた。

今回の合意により、ワールドカップを地上波のKBSで視聴できるようになったが、業界内外では、KBSがやむを得ず交渉に加わったのではないかとの見方も出ている。普遍的視聴権の保障という名目の下で、民間事業者が先に押さえた中継権の負担を公営放送が担う構図が妥当なのか、検証が必要だという指摘だ。

とりわけMBCとSBSが抜けた中で、最後にKBSだけが参加したことで、公営放送が視聴権保障の最終的な負担先に追い込まれたのではないかとの問題提起もある。

広告市場が冷え込む中、140億ウォン前後の中継権料を広告と協賛だけで回収するのは簡単ではなく、収益面の負担は大きいとの声も上がる。

KBS内部では、今回の共同中継が財政的に重い選択だとの認識が少なくないとされる。ただ、ワールドカップのような国民的関心の高い行事を背にできない公営放送の責務を考えれば、赤字を覚悟しても参加せざるを得なかったとの空気もある。民放とは異なり、公営放送は収益性だけで判断しにくい事情が今回の決定に影響したとみられる。

MBCとSBSも、交渉不成立は単に公的責務を避けた結果ではないとの立場だ。SBSは声明で、地上波放送局として公的責務を果たし、視聴者の期待に応えるため、一定の損失を受け入れる意思で交渉に臨んだと説明した。当初提示額より20%高い案も示し、最後まで妥結を探ったとしている。JTBCが提示した中継権にはデジタル権利を巡る論争的な要素があり、金額も会社の財務健全性と株主価値に重大な負担を与える水準だったと付け加えた。

MBCも、JTBCが自社案に返答しないまま、メディア発表の形で交渉終了を知らせたとして遺憾の意を示している。このため地上波内部では、単なる参加意思の問題ではなく、価格やデジタル権利、交渉方式など複数の争点が絡んでいたとの見方が出ている。

政界や放送メディア通信委員会を中心に「普遍的視聴権」制度の見直し論議が続く中、今回のワールドカップ中継権交渉では、結果として公営放送KBSに負担が集中する形となった点が波紋を呼んでいる。

(c)news1

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