2024 年 5月 7日 (火)
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「お客さんもいないのにエアコンだけフル稼働」…エネルギー料金上昇、胸痛める韓国の自営業者

無人カフェを運営する店主がセルフコーヒーマシンに使われる器具を整理している(c)news1

「いつお客さんが来るかわからないからエアコンの設定温度を上げることはできません。営業時間が長いほど損が膨らむ感じです」。ソウル市麻浦区(マポグ)のカフェの経営者(30代)は大幅に値上がりした冷房費をこう嘆いた。

韓国統計庁国家統計ポータルによると、今年第1四半期(1~3月)の電気・ガス・水道物価指数は129.76(2020=100)で前年同期比28.4%急騰した。天井知らずの物価高とエネルギー料金の上昇に人件費負担まで重なり、飲食店などの自営業者が頭を痛めている。

鐘路区(チョンノグ)のでカフェ経営者は「昨年8月の電気料金は80万ウォン(1ウォン=約0.1円)程度だったが、今年の7月は半分過ぎただけで100万ウォンを超えた。来月はいくらになるのか」と話した。

物価も心配だ。韓国物価協会によると、7月第2週の葉菜類を中心とした農産物価格が急騰した。赤サンチュの価格は前週比49.5%上昇し、白キュウリ24.3%、ほうれん草も28.7%上がった。

麻浦区のサムギョプサル屋の経営者(50代)は「もともと野菜は夏場に急騰するが、今年は特に大雨や猛暑のためサンチュ、白菜が高い。野菜を半分ぐらい残すお客さんたちを見るともったいなくて胸が痛む」と説明した。

こうした状況を反映して休暇を放棄する経営者も少なくないようだ。

カフェの社長は「夏休みシーズンはお客さんが少ないので週末を連休にしていたが、今年は諦める。国内旅行でも宿泊費や食費に100万ウォンは十分かかる。休みは近くをドライブでもして過ごす」と話した。

麻浦区のクッパ屋の店主(40代)も「休暇を取ったところで売り上げに気持ちが追われて楽しめない」と肩を落とした。

(c)news1

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