2024 年 4月 20日 (土)
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[KWレポート] 韓国・電気自動車10万台時代 (下) 越えるべき山々

ソウル市中区の電気自動車充電所でチャージする国産電気自動車(c)NEWSIS

温室効果ガス排出を抑える「カーボンニュートラル」を進めるため、世界各国が電気自動車への転換を急いでいる。韓国でも電気自動車普及が急務とされるが、課題もある。

一つは、依然として高い車体価格だ。電気自動車はガソリン車に比べ1.8~4.1倍も高いのが現状だ。

韓国自動車産業協会(KAMA)によると、現代(ヒョンデ)自動車の「コナ」ガソリン車モデルは2700万ウォン(約282万円)なのに対し、政府補助金がない場合の電気自動車「コナEV」は4900万ウォン(約513万円)、水素電気自動車「ネッソ」は7000万ウォン(約732万円)に上る。

特に高いのが水素電気自動車だ。生産費用はガソリン車の4倍を超える。生産費用がかさばる分をそのまま販売価格に転嫁することはできず、メーカー各社は赤字覚悟で生産・販売している。今後は、生産コスト削減を進め、より価格競争力をつけることが求められている。

◇充電の利便性

もう一つの課題は、充電の利便性が低い点だ。

ガソリン車の1台当たりの給油時間は3分程度であるのに対し、電気自動車の充電には1時間もかかる。2025年の電気自動車普及目標が113万台である一方で、急速充電器は1万5000台にとどまっている。充電スタンドの設置が車両の普及スピードに追いついていない。

中国では交換式バッテリーの利用も進んでいる。バッテリー交換所で、使用済みバッテリーと充電済みバッテリーを交換する仕組みで、充電の利便性を高める手段として注目される。

大林(テリム)大学未来自動車学部のキム・ピルス教授は「今後は、韓国政府が補助金を充実させ、電気自動車の価格をガソリン車の価格にどれだけ近づけられるかがかぎだ。マンションの地下駐車場などで深夜に簡単に充電ができるようにするなど、充電インフラの拡大も必要だ」と指摘している。

(c)NEWSIS

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