2025 年 3月 19日 (水)
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韓国家電業界、不況打開へ「サブスク」に活路

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韓国の家電市場が縮小する中、業界はサブスクリプション(サブスク)サービスに活路を見出している。物価高と景気低迷の影響で家電販売が低迷する一方、サブスク市場は急成長し、昨年はLG電子が前年比75%増の2兆ウォン(約2044億円)を記録するなど、好調を維持している。

統計庁によると、2024年の韓国国内家電販売額は31兆1846億ウォン(約3兆1867億円)で前年比4%減少し、3年連続の縮小した。一方、サブスク市場は拡大し、LG電子の成長率は家電販売全体(9.1%)を大きく上回った。サムスン電子も、プレミアムテレビの購入者のうち50%がサブスクサービス「AIサブスククラブ」を利用するなど、短期間で成果を出している。

家電サブスクの人気の背景には、初期費用の負担を減らす戦略がある。不況時には消費者が高額な支出を避ける傾向があるが、月額1万〜2万ウォン(約1022円〜2044円)程度の支払いなら心理的ハードルが低くなる。また、NetflixやYouTubeなどのサブスクサービスが普及したことで、消費者が月額モデルに慣れていることも追い風となっている。

さらに、サブスクには定期的なメンテナンスや修理、消耗品の交換が含まれており、「所有するよりも利便性が高い」との評価が広がっている。インハ大学のイ・ウンヒ教授は「現代の消費者は『所有』よりも『使用』を重視する傾向がある」と分析する。

LG電子は家電サブスクを次世代成長戦略と位置付け、昨年台湾やタイでサービスを開始。今年はインド、シンガポール、香港にも進出予定で、対象製品も拡大している。

韓国の家電市場は2020年に40兆ウォン(約4兆0880億円)規模だったが、業界は今年100兆ウォン(約10兆2200億円)に達すると予測する。LG電子のチョ・ジュワン社長は、1月の「CES 2025」で「2030年までにサブスク事業の売り上げを6兆ウォン(約6132億円)に引き上げる」と述べ、さらなる成長への意欲を示した。

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