2025 年 3月 19日 (水)
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韓国のHD現代重工業が開く「船上3Dプリンティング」時代…部品の交換?「即時」に可能

3Dプリンティングデジタルワークショップが適用されたコンテナ船の鳥瞰図=HD現代(c)KOREA WAVE

韓国のHD現代重工業が世界初の運航船舶向け緊急保守・整備(MRO)用3Dプリンティング新技術を開発し、造船業のデジタル化を加速している。

HD現代の造船部門系列会社であるHD現代重工業は最近、木浦にある「HD現代三湖」で「運航船舶内の保守部品を自社製造するための3Dプリンティング融合実証技術(3Dプリンティングデジタルワークショップ)」に関する最終評価および実演を成功裏に実施した。

HD現代重工業は2023年、産業通商資源省の支援を受け、蔚山広域市およびその関連機関、CSCAM、HD韓国造船海洋、HMM、韓国船級(KR)などとコンソーシアムを組み、「3Dプリンティングデジタルワークショップ」プロジェクトに着手した。

このプロジェクトは2025年12月までに完了する予定で、運航中の船舶がMRO関連の部品を迅速に製造できる3Dプリンティングシステムを開発し、実証することを目標としている。

長距離を航行する大型船舶は予期せぬ事態に備えてさまざまな予備部品を積載して出航する。ただ、3Dプリンティング技術が導入されれば、船上でも必要な部品を随時製造し、即時交換することが可能になる。注文から製造、配送までの一連のプロセスが短縮されることで、時間とコストの削減も期待される。

HD現代重工業は今回の実証実験を通じて、実際の船上で3Dプリンティング装置を運用するだけでなく、船舶の動きや振動を抑制する技術を検証した。航行中の船舶は常に揺れや動きが発生するため、3Dプリンターが安定して動作するためには、振動や運動を軽減する技術が不可欠だ。

HD現代重工業は今後、3Dプリンティング技術の商業化を本格的に進める。さまざまな部品のデジタルライブラリを構築し、港と船舶間のネットワークを整備することで、必要な部品を遠隔注文し、近隣の港で容易に供給できるようにする。また、HD韓国造船海洋と連携し、造船用炭素鋼粉末素材の開発など、素材の多様化に向けた技術開発にも力を入れている。これにより、3Dプリンティングが可能な部品の範囲を拡大するとともに、コスト削減効果も期待される。

(c)KOREA WAVE

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