
韓国の中堅企業経営者の間で、相続税・贈与税の負担が重すぎるとして事業承継を諦めるケースが増えている。韓国中堅企業連合会(中堅連)は最近、企画財政省に対し、相続税および贈与税の改正を要請した。
韓国の相続税・贈与税の最高税率は50%に達し、最大株主の株式には「加算評価制度」が適用され、実質的な最高税率は60%となる。この負担の大きさが、企業の投資や雇用に悪影響を与えている。京畿道平沢のある中堅企業の代表は「企業を子に譲るより売却の方が合理的な選択にならざるを得ない」と語る。
また、40年以上経営を続けるある会社は、業種分類の問題で「事業承継控除」の適用を受けられず不満を抱いている。警備や清掃業務を請け負っているが、企業登録上「害虫駆除業」となっているため控除対象外となる一方、ビル清掃業は対象に含まれるなど不公平感がある。
ある上場企業では、最大株主の経営者が急逝し、子が事業を継ぐことになった。しかし、同社の最大株主グループの持株比率が15%と低く、事業承継控除の要件(上場企業20%以上)を満たさず、多額の相続税を支払うため株式売却を余儀なくされ、経営権の不安定化が懸念される。
韓国の相続税率はOECD加盟国の中で2番目に高い。中堅連は、相続税の最高税率を30%に引き下げ、贈与税も30%まで引き下げるほか、最大株主の加算評価制度の廃止を求めている。
さらに、事業承継控除の対象業種拡大や控除上限の引き上げも提案している。例えば、観光事業として登録されたリゾート内のゴルフ場は控除対象だが、一般のゴルフ場は対象外といった不合理な規定の見直しを求める。
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