2025 年 3月 12日 (水)
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AIと融合する韓国のライブ配信…新技術に乗る「SOOP」ストリーマー

SOOPのストリーマー「ミダニ」が、生成AIライブ映像制作ツール「SAVVY」の映像を模倣する様子=SOOP提供(c)NEWSIS

韓国の動画ストリーミングプラットフォーム「SOOP」が最近、ChatGPTを活用した対話コンテンツが新たな楽しみ方として注目を集めている。

「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の配信を手掛けるストリーマーのイ・サンホは、ChatGPTを音声で学習させ、思い通りの返答を引き出している。また、ストリーマーのキム・ミンギョは、LoLの試合予測をChatGPTに尋ね、「最近のフォームを見るとGen.Gがやや有利」というAIの予測に視聴者が驚く場面もあった。

さらに、ユーザーが生成AIを活用してストリーマーに「動画風船」を贈る文化も広まっている。

「動画風船」は、視聴者がストリーマーに送る際に、好みのVOD(ビデオ・オン・デマンド)を選んで追加できる機能で、配信をより盛り上げる要素として人気だ。最近では、AI音楽生成ツールを使い、ストリーマーの声で作成したオリジナル楽曲を動画風船として贈るのがトレンドとなっている。

SOOPは、ライブ配信に最適化されたAI技術の開発に力を入れている。その一環として生成AIライブ映像制作技術「SAVVY」を適用している。

「SAVVY」は、ストリーマーのリアクション動画やシグネチャー風船(ストリーマーの演出付きギフト)をAIで手軽に作成できるサービスだ。

この技術は、2024年11月に開催された「G-STAR 2024」で披露され、12月には「2024ストリーマー大賞」イベントで一部ユーザー向けに試験導入された。そして2025年1月からは、100人のストリーマーと3万人以上のファンが利用可能となっている。

「SAVVY」の活用により、ストリーマーが配信中に一時的に席を外しても、AIが学習した映像を自動生成し、視聴者に継続的なエンターテインメントを提供できる。また、ストリーマーの表情や動作、話し方を再現し、リクエストに応じた映像を作成する機能も備えている。

さらに、ユーザーが動画風船を贈る際、AIを活用したリアクション映像を自動生成することも可能になった。これにより、ストリーマーが実際にダンスを踊っているかのようなユニークな演出を加えることができる。

SOOPは今後、AIを活用した広告収益モデルの導入も進める。具体的には、ストリーマーの外見や雰囲気をAIで再現し、配信中に自然な形で広告コンテンツを挿入できるシステムを開発している。また「SAVVY」を活用し、視聴者のデータを分析して最適な広告を表示する仕組みを構築することで、ストリーマーと広告主双方にとって効果的なプロモーション環境を提供する狙いがある。

(c)NEWSIS

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