ソウル市中区東大門（チュング・トンデムン）に50余りの黄色いテントが集まる市場がある。毎日午後8時ころから翌日午前3時まで営業する「セビッ市場」だ。合法的な市場だが、偽ブランド品も堂々と売られている。
4月3日午後11時、市場を訪れた。この日は行政当局が偽物販売業者6人を立件したと発表したが、商人たちは一向に気にする様子はなく、偽物を店頭に並べていた。
帽子専門店では約50種の野球帽やつばの広い帽子約20種を並んでいた。グループIVE（アイブ）のチャン・ウォニョンが着用したことで人気を集めたmiumiu、BLACKPINK（ブラックピンク）のリサが使ったセリーヌの偽物もある。偽セリーヌは3万ウォン（約3400円）で売れた。同じセリーヌの正規品は79万ウォン（約8万8600円）だ。
特許庁とソウル市、警察で構成する「セビッ市場偽造商品捜査協議体」は先月16日、12のテントを取り締まり、偽造品854点を押収。取り締まり後は店頭から商品が消えたテントもある。
がらんとした店でルイ・ヴィトンやシャネルなどの偽カバンが入った紙袋を見つけた。隣の店の商人に「これも売っているのか」と尋ねると、商人は「売っているのではない。誰かがちょっと置いていったんだ」と答えた。
商人たちは写真撮影にも敏感だった。観光客がハンガーにかかったTシャツを携帯電話で撮ろうとすると、店主は「撮ってはいけない」と制した。ルイ・ヴィトンの偽財布を販売する店主に「先日取り締まりがあっただろう」と質問すると「食べていくのが大変なんだ。写真を消してくれ」と話した。
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