韓国のフードデリバリーアプリ「配達の民族」を運営する企業「優雅な兄弟たち(WoowaBrothers)」は30日、実際には食べ物を注文していないのに虚偽のレビューを載せるといった悪性レビュー操作業者に対し、2018年から告訴・警告作業を進めてきたことを明らかにした。その結果、現在まで11社に罰金・懲役刑が言い渡され、12社に対する捜査が進められているという。
◇「食べた」を偽装
レビュー操作とは、飲食店側から代価を受け取り、配達の民族アプリに虚偽レビューを作成することを意味する。注文していない料理をまるで実際に食べたかのように装って飲食店に有利な内容のレビュー、評価情報を作成することだ。
レビュー操作業者は中古取引サイトなどを通じて複数の配達員IDを購入したり、アルバイトを動員したりして虚偽レビューを作成してきた。
操作の結果、まっとうに商売する多数の店舗が被害を受けたり、利用者が誤った情報にだまされたりする恐れがある。
罰金・懲役刑を受けたある業者は、2017年9月から2020年5月まで計350回にわたって1回当たり30万ウォン(約3万3000円)で100個の虚偽レビューを作成させたとして、懲役10月に処された。別の業者は1回当たり100万ウォン(約11万円)で虚偽レビュー100件を作成したとして懲役8月、執行猶予2年を宣告された。
判決は虚偽のレビュー数と関係なく、レビューを操作した行為に焦点が当てられた。2020年7月22~27日の6日間、6つの飲食店から依頼を受け、31の虚偽レビューを作成した業者には罰金刑を言い渡された。
◇リアルタイムのモニタリング
韓国のフードデリバリーアプリ「配達の民族」は2020年11月、虚偽の疑いがあるレビューのリアルタイムモニタリングシステムを導入した。配達の民族に登録されるレビューをリアルタイムで検知し、24時間以内に分析・措置するシステムだ。虚偽レビューと疑われる場合、自動的に露出を一時制限する。
また、レビューのリアルタイムモニタリングには人工知能(AI)探知モデルを導入している。AIに多様な虚偽レビュー事例を学習させ、虚偽の疑いがあるレビューを早く検知するようにしたのだ。
今年1月にはレビュー操作会社に対するAI探知モデルを高度化した。マシンラーニング基盤で異常の有無を探知してレビュー操作の疑いがある会員をまず探し、該当会員と店の関連を分析して最終的にレビュー操作業者を決める方式だ。
これを基にレビュー操作業者に対する告訴や警告作業を進めている。その結果、虚偽の疑いのあるレビューの情報提供件数は、今年上半期に対前年同期比で3分の1に減った。一昨年上半期と比べると、虚偽の疑いのあるレビューの情報提供が83%減少した。
優雅な兄弟たちのイ・ウォンジェサービス危険管理室長は「利用者が信じることのできるレビュー環境を作り、店が公正に競争できるプラットフォームになれるよう努力している。レビューを操作する業者はもちろん、非良心的行為に強硬な対応を続ける」と話している。
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