2024 年 11月 19日 (火)
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中国のプロパガンダとスパイの拠点と疑われる…ソウルの「孔子学院」をのぞいてみた

2日午前、ソウルのある大学に位置する孔子学院。電気が消えていた(c)MONEYTODAY

ソウル市江南区(カンナムグ)の孔子学院は3日午前、閑散としていた。塾のロビーには誰もおらず、奥の講義室から時々、中国語の授業の声が聞こえてくる。内部は平凡な語学学校と変わらない。カウンター横の陳列棚には中国語教材が展示されており、中国のある航空会社の飛行機の模型が置かれていた。

中国が反体制派に圧力をかけ、情報を収集する「秘密警察署」。韓国国内にも存在するといわれる。そんななか関心が集まるのが、この「孔子学院」だ。秘密警察が問題になる前から、中国語教育と文化交流を名目に各国に開設したこの孔子学院が、体制宣伝と諜報活動に使われているという疑惑が持ち上がっていたためだ。

孔子学院のホームページによると、同学院は2004年、世界で初めてソウル・江南(カンナム)に設立された。ここから始まって世界約150カ国に500カ所余りが開設された。韓国には大学に22校、中・高校に4校など28校ある。

中国語授業のほか、地域社会での活動も手掛けてきた。中国と関連した各分野の名士を招待した特別講演のほか、書道や歌の大会などを開催していた。学生や教師、一般市民を選抜・招請し、中国で研修やキャンプなどを無料で提供することもある。

最近になって孔子学院の活動は、新型コロナの影響で減った。ソウル・江南にある孔子学院では、特別講演プログラムを実施してから2年が過ぎた。首都圏の中高校に位置する3カ所でも、中国語以外の授業は実施されていない。

3日午前11時ごろ、ソウル市江南区にある孔子学院の入口の様子(c)MONEYTODAY

孔子学院は、中国の「秘密警察署」騒動が起きる前から体制宣伝に使われているのではという疑惑を受けてきた。米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は2018年、孔子学院が米国の学校を対象とした諜報活動に関わっているとして注意を促したこともある。

韓国の孔子学院が、中国の影響力拡大に使われているといういう分析もある。米共和党のマッコール議員が昨年11月、中国共産党に関する報道資料で「東アジアでは韓国を含む先進国が、孔子学院など中国の公共外交を最も多く誘致した」と明らかにしている。

その後、米国を含む西側諸国では孔子学院を閉鎖すべきだとの声が相次いだ。米政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」などによると、米国の孔子学院118カ所のうち104カ所が廃業し、4カ所が廃業手続きを踏んでいる。

韓国では市民団体が退去を促す活動を続けている。2020年10月に設立された市民団体が昨年、孔子学院が中国共産党の統一戦線工作拠点だとして退出を要求するセミナーと記者会見を開いている。

(c)MONEYTODAY

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