
韓国統一地方選の投票用紙不足をめぐり、ソウル市内で抗議デモが6日連続で続いている。緊迫する現場で警備にあたる警察幹部が、参加者からの挑発や罵声にさらされている現場の過酷な実態を内部ネットワークに投稿し、波紋を広げている。SNS上では警察官への根拠のない誹謗中傷も相次いでおり、警察当局は違法行為に対して厳正に対処する方針を固めた。
ソウル警察庁第2機動団に所属する警察幹部(警正)は9日、警察の内部ネットワークに「警察権はどこへ」と題した文章を投稿した。
この幹部は、激しい抗議活動が続くソウル市松坡(ソンパ)区の開票所で警備活動に従事。投稿の中で、「人権や安全、市民という言葉を掲げながらも、意図的に浴びせられる言いがかりや挑発、罵声を前に、感情を抑えるのは非常に難しい」と吐露。至近距離で歓声や嘲笑に耐え続けた部下の隊員たちを「守りきれなかった」と悔しさをにじませた。
また、今回の未届けデモが大きな暴力沙汰に発展せず、当局の制止もほとんど受けていないことから、参加者側にとっては「成功した集会」になっていると分析。一方で、現場では小規模な違法行為が看過されていると指摘し、「今後のデモは、警察がどこまで容認するのかを試すものになるかもしれない。警察側の忍耐心と自尊心は、それに耐えられるほど強くはない」と、現場の負担が限界に達していることに強い懸念を示した。
現場の警察官をめぐっては、過激化する一部の参加者による行き過ぎた言動も問題視されている。
現在、オンラインコミュニティーやSNS上には、開票所付近で一部のデモ参加者が警察官に対し、官職名や氏名の提示、身分証の確認を執拗に迫る動画や写真が拡散。「偽警察ではないか」「中国の公安(警察)だ」といった根拠のない疑惑が投げかけられている。しかし、警察当局の調査により、これらはすべて現場で正当に職務を遂行していた本物の警察官であることが確認された。
事態を重く見た警察当局は9日、公式の見解を発表した。「憲法が保障する正当な意思表現は最大限に尊重し保護する」としながらも、市民や報道陣、警察・消防職員に対する暴行や名誉毀損、強要などの明白な違法行為に対しては、厳正に処置する方針を強調。さらに、ネット上での悪質な虚偽事実の流布などによって被害を受けた現場の警察官に対しても、組織全体で体系的な支援と対応策を講じていくとしている。
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