
韓国のスターバックス・コリアが過去の民主化運動を揶揄(やゆ)するプロモーションを展開した問題で、会社員向けの匿名オンラインコミュニティーに「独断で極右的なマーケティングを強行した女性実務担当者のせいで、全国数千人の従業員が生計の危機や現場での謝罪対応に追われている」とする内部告発の投稿があり、波紋が広がっている。現地では21日も市民団体による大規模な抗議集会が開かれるなど、ブランドイメージの失墜が現場の雇用を直撃している実態が浮き彫りになった。
端緒となったのは、スターバックス側が5月18日のタンブラー広報イベントで、1980年の光州(クァンジュ)事件当時の軍による戦車投入を連想させる「タンクデー」などの文言を使用した騒動。親会社である新世界(シンセゲ)グループのチョン・ヨンジン(鄭溶鎭)会長が国民向けに謝罪し、韓国法人の代表や関連役員を即座に解任したものの、事態は沈静化していない。
こうしたなか、認証された従業員のみが書き込めるアプリ「ブラインド」に「極右的な行為をしたパートナー(従業員)へ」と題した文章が投稿された。5年間勤務しているという投稿者は「あなたの浅はかな行為のせいで被害を受ける従業員だけで数千人に上る。客足が遠のいたことで残業がカットされて生計が苦しくなり、各店舗の店長はシフトや売り上げ計画の全面的な修正を余儀なくされている」と現場の窮状を訴えた。
さらに、現場の悲痛な声として「店舗の従業員たちは、自分がやったわけでもない不祥事のために、客の顔色をうかがいながら謝罪を繰り返している。今すぐ解雇の危機に瀕している人だけでも数十人いる」と指摘。「本社のずさんな採用選考のせいで、真面目に働いてきた人たちの数年が無駄になろうとしている」と経営陣の管理責任を激しく批判した。
別の従業員とみられる人物からも「問題の広報を担当した女性実務者は、罪悪感を持つ様子もなく故意ではないと言い張り、社内を堂々と歩き回っている。彼女を信任していた男性役員だけが解雇された状態だ」との追加暴露がなされ、社内での内紛も深刻化している。
企業倫理を巡る騒動が飛び火するなか、市民団体「5・18を愛する会」などの光州市民団体は21日午後、光州市西区の大型スーパー「イーマート光州店」前で記者会見を開催。参加者らはスターバックスの歴史歪曲(わいきょく)を糾弾するシュプレヒコールを上げ、同グループが展開する店舗への抗議活動を強めている。
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