
商品名でもブランド名でもない。商品のシリアルナンバーにあたる7桁の商品番号が、SNSをにぎわせている。ユーチューブショートやインスタグラムのリールには、韓国の生活雑貨大手ダイソーの商品番号をタイトルに掲げたコンテンツがあふれ、コメント欄には「私も買いました」「品切れだったけど、どこで買いましたか」といった反応が相次いでいる。ダイソーが買い物の文法を変えた形だ。
バイブカンパニーのソーシャルビッグデータ分析「Sometrend」によると、2026年1~4月のダイソー関連オンライン言及量は約29万6000件だった。消費者がダイソーを積極的に探し、買い物の結果を「共有」していることを示している。化粧品、インテリア小物、栄養剤など、関与度の高いカテゴリーへの拡大が目立ち、オリーブヤングやイーマートと並んで比較される流通大手として浮上したとの評価も出ている。
ダイソーの消費文化の特徴は、商品番号を基にコンテンツが拡散している点だ。通常、消費者が商品をすすめる時はブランド名や商品名を使う。しかしダイソーでは、内部スタッフの管理用番号である商品番号が、消費者の会話で核心的なコードになった。
「これの商品番号は何ですか」という質問がコメント欄に相次ぎ、インフルエンサーは動画の説明欄に商品番号リストを丁寧に整理している。
背景には、ダイソー特有の流通構造がある。ダイソー商品は供給会社との契約方式上、ブランドより商品番号の方が正確な識別子の役割を果たす。再入荷の有無、店舗別在庫確認、季節限定かどうかなどを確認する際、商品番号が最も信頼できる情報となる。消費者がこの構造を逆に活用し、商品番号そのものをコミュニケーションの単位にするようになった。
ダイソーのカテゴリー戦略は、2020年代半ばを境に急速に変わった。文具類、清掃用品、キッチン用品中心だった構成に、ビューティーとヘルスケアが大幅に加わった。
特に2024~2025年を経て、韓国の主要製薬・ビューティー企業がダイソー専用ラインを開発して入店させる事例が相次いだ。既存のヘルス&ビューティーストアに比べて大幅に低い価格帯を維持しながらも、成分や効能面で十分な競争力を備えた商品が登場し、消費者の反応は爆発的だった。
ビューティー系ユーチューバーが「ダイソー化粧品でフルメイク」コンテンツを制作し、それが数十万回再生を記録すると、ダイソービューティーはサブカルチャーとして定着した。「オリーブヤングに行く必要がない」という消費者の反応も珍しくない。
かつてダイソーの競争相手は、同じ均一価格ショップ系列や伝統市場だった。しかし今、消費者は「栄養剤をダイソーで買うか、オリーブヤングで買うか」を真剣に悩む。生活用品を「イーマートの代わりにダイソーで」そろえるというレビューも珍しくなくなった。
こうした競争構図の変化は、ダイソーのカテゴリー拡大戦略が単に商品数を増やすものではなく、消費者の買い物行動全体を取り込む方向で進んでいることを示している。アクセスの良さ、価格競争力、品質への信頼が積み重なり、消費者はダイソーを特定カテゴリーの目的地ではなく、日常の最初の買い物先として選び始めた。
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