2026 年 5月 7日 (木)
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北朝鮮ミサイル「実戦運用」試験を強化…迎撃網の無力化狙いか

北朝鮮のクラスター弾頭を搭載した「火星11ラ」型の試験発射場面=労働新聞(c)news1

北朝鮮が2026年に入って、兵器体系の単純な性能評価を超え、実戦運用能力を検証する方向で試験を進めている。特にクラスター弾頭など多様化した弾頭と、さまざまな投射手段が結びつく可能性は、韓米の防衛体系に少なからぬ負担となるとの見方が出ている。

韓国・世宗研究所の客員研究委員は最近の報告書で、2026年1~4月の北朝鮮のミサイル開発動向を評価し、こう分析した。こうした動きは、最近の米国とイランの軍事衝突の過程で表れた兵器運用の傾向を反映したもので、北朝鮮には「韓米の迎撃網」を突破し、特定地域を集中的に焦土化できると誇示する狙いが含まれているとみている。

北朝鮮は、1月4日の極超音速ミサイル発射、1月27日と3月14日の超大型ロケット砲の大量発射、4月12日の駆逐艦「崔賢」からの戦略巡航ミサイル発射、4月8日と19日のクラスター弾頭試験など、軍事的挑発を重ねてきた。

北朝鮮は「4月8日のクラスター弾頭試験で、火星砲11カ型が6.5~7ヘクタール、サッカー場10面分を打撃した」「4月19日のクラスター弾頭試験では、クラスター弾と地雷散布弾を装着した火星砲11ラ型5発が、136キロ離れた島を12.5~13ヘクタールの範囲で打撃した」と主張した。研究委員は、これについて北朝鮮が国際規範より実戦的脅威の最大化を優先する意図を示したものだと解釈した。

クラスター弾は実戦で使われれば、数百個の子弾が空中で散布され、地上に落下した後、広い範囲を同時に打撃するため被害範囲が大きい。空軍基地の滑走路など軍事インフラだけでなく、民間施設が被害を受ける可能性も高く、物議を醸している兵器だ。非人道的な兵器とされるため、多くの国は保有の事実をできるだけ表に出さないのが一般的だという。

報告書は、2026年に北朝鮮が強調しようとしている技術的要素を、極超音速ミサイルと既存の変則機動型短距離戦術ミサイルを組み合わせた混合発射の可能性、短距離戦術ミサイルに搭載したクラスター弾頭と超大型ロケット砲弾の大量発射、クラスター弾頭や炭素繊維弾など弾頭の多様化、戦略巡航ミサイルの発射基盤を地上から海上へ広げた点などに整理した。いずれも迎撃回避能力を高め、韓国側の軍事インフラや指揮・防空体系を無力化する狙いとみられる。

ただ、極超音速ミサイルについては、北朝鮮が2021年1月に極超音速滑空体の試験発射を初めて実施して以降、2025年10月までに7回の試験発射を重ねて開発を進めてきた。北朝鮮は2025年10月22日の7回目の発射で「重要兵器体系の試験に成功した」と述べ、2026年1月4日の発射時にも「ミサイルが目標を打撃した」と主張したが、試験成功の具体的内容は示せなかったと報告書は指摘した。

極超音速滑空体の開発には、滑空体が極超音速で機動する中で精密な誘導制御を成立させる高度な技術が必要だ。米国、中国、ロシアはこの技術を約30年以上研究・開発してきたとされるが、実戦配備したとされる中国とロシアでも技術の完成度をめぐる論争が残る。最先端技術の適用を目指す米国も、まだ開発完了には至っていないと報告書は説明した。

このほか、北朝鮮には超大型ロケット砲の連続発射能力がまだ十分に確保されていない点、クラスター弾頭は新型弾頭ではなく、炭素繊維弾は開発初期段階にある点、戦略巡航ミサイルは潜水艦発射基盤を備えていない点など、ミサイル開発上の技術的限界も観察されるという。

報告書は韓国側の対応策として、「特に攻撃・迎撃ミサイルの保有規模と発射基盤の量的・質的能力を段階的に拡充し、戦力の生存性と運用の柔軟性を高めるべきだ」と提言した。そのうえで「北朝鮮のミサイル脅威への対応効率を高めるため、低コスト・高効率の迎撃体系の開発と、長期的には『大量同時対応能力』の確保に向けた人工知能(AI)基盤のリアルタイム対応システム開発が不可欠とみられる」と述べた。

(c)news1

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