2026 年 4月 21日 (火)
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[KWレポート] 日韓ビジネス仕事人(2) 「“韓国を持ち帰る”——トレンドを文化に変えた戦略」

ドバイもちクッキー(c)KOREA WAVE

――日韓をまたぐビジネスにおいて、試練や苦労もあったと前半でおっしゃっていましたが、ソ・スンフンさんは、それをどのように乗り越えてきましたか。

「最大の違いはスピード感と手続きの精緻さだと感じています。韓国はトレンドへの反応が非常に速く、“パルリパルリ”の文化があります。一方、日本は慎重で、マニュアル化や品質管理が徹底されています。私はこの違いを乗り越えるために、『韓国の企画力』と『日本の運営システム』を融合させることを意識してきました。トレンドのキャッチやマーケティングは韓国のスピードで進め、店舗運営や接客、衛生管理は日本基準を徹底する。さらに現地スタッフとのコミュニケーションを通じて、日本のお客様の細やかなニーズを理解し、それを韓国的なダイナミズムと組み合わせてきました。この両国の強みの交差点こそが、私たちの競争力だと感じています」

――ヒット商品を生み出し続けるために、どのようにトレンドを捉え、開発に活かしているのでしょうか。

「ポイントは、韓国のスピード感を、日本の感性で再解釈することです。韓国で流行しているものをそのまま持ち込むのではなく、日本の10~20代女性が何に反応しているのかを徹底的に分析し、そこに最適化させます。また、SNSでの拡散力も非常に重要です。味は前提として、『写真1枚で価値が伝わるビジュアル』を開発段階から重視しています。『ドバイもちもちクッキー』はその代表例です。世界的なトレンドを取り入れながら、日本人が好む“もちもち”の食感を掛け合わせることで、日本市場に最適化した商品として再構築しました。韓国は話題が広がるスピードが速く、次々と新しいものへ移り変わりますが、日本は時間をかけて信頼を積み上げていく市場です」

「例えば、オープンから1カ月間は50%オフに設定し、長蛇の列を作ることで認知と信頼を獲得しました。そしてこの夏からは、『ドバイもちもちクッキー』が全国のコンビニで展開され、より多くの方に届く予定です。私たちが世に出す商品が、日本におけるK-スイーツのスタンダードになる——その責任を持ちながら、会社としての価値を高め、持続的な成長を目指しています」

「In Style Japan」のソ・スンフン代表(c)KOREA WAVE

――ブランドとして大切にしている価値観や哲学について教えてください。

「私が最も大切にしているのは、新しい体験を一緒に共感してもらえるかどうか、です。単にスイーツを売るのではなく、日本のお客様に、今、韓国で最もヒットしている瞬間を届けることを哲学としています。味はもちろんですが、SNSを楽しむ10~20代の女性が、写真1枚で幸せを感じられるようなビジュアルもまた追求したい。店舗づくりにおいては、ただ食べて帰る場所ではなく、『韓国に行かなくても、その空気を感じられる体験型空間』を目指しています。新大久保という街のエネルギーを取り込みながら、空間、音楽、デザインすべてを通じて、お客様に“文化としての韓国”を体験していただきたいと考えています」

――「日韓をつなぐビジネス」という観点から、これからの日本と韓国はどうなっていってほしいでしょうか。

「日本の文化も韓国の文化も、その間にさまざまなビジネスが生まれています。エンターテインメントも含めて、これからさらに交流は深まっていくと思います。最近は日韓での結婚も増えていますし、マッチングアプリなども広がっています。交流は確実に大きくなっています。私たちが届けるスイーツの一口が、両国の人々の心をつなぐ小さなきっかけになれば嬉しいです。日本にいながら韓国の魅力を感じられる環境を作ること。そしてその中で企業としての価値を最大化していくこと。それが私の使命であり、最終的な目標です」

――今後の展望を教えてください。

「短期的な目標は『ドバイもちもちクッキー』を起爆剤として、年商20億円を達成することです。日本で生まれたブランドを韓国に展開することも視野に入れていますし、日本と韓国、それぞれのブランドの強みを掛け合わせたチーズケーキの展開も予定しています。これからも、食感を楽しめる“新しい美味しさ”を届けていきたい。そして最終的な目標は、日本における韓国スイーツ文化のスタンダードになることです」

「現在は新作のチーズケーキをネットで販売していますが、8月には全国のコンビニやスーパーでの取り扱い開始を目標に準備を進めています。ネットだけでなく、食べたいときにすぐ手に取れる存在にしていきたい。楽しみにしていてください。これからも新大久保を起点に、日本全国で韓国の最新ライフスタイルを、最も速く、そして洗練された形で体験できるプラットフォームをつくっていきたいと考えています」

(c)KOREA WAVE

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