2026 年 4月 12日 (日)
ホーム社会年間被害2.2兆ウォン突破…韓国・フィッシング激増、警察が苦渋の「被害額選別」捜査へ

年間被害2.2兆ウォン突破…韓国・フィッシング激増、警察が苦渋の「被害額選別」捜査へ

カンボジア当局から送還された韓国人容疑者ら=2025年10月18日、仁川国際空港第2ターミナル(c)news1

韓国でフィッシング犯罪が急増する中、警察の対応体制にも変化が生じている。ソウル警察は今後、広域捜査団が直接扱う事件を「高額被害案件」に限定する方針を決めた。

警察によると、これまでは被害額に関係なく迅速に通報された事件なども広域捜査団が担当することがあったが、今後は一定基準を満たす高額事件のみを直接捜査し、それ以外は各警察署が担当する。

背景には、フィッシング犯罪の急増がある。2025年の発生件数は約4万1525件と前年比で約20%増加し、被害額も約2兆2000億ウォン(約2420億円)に達し、30%以上増えた。事件数の急増により、専門捜査人員の負担が限界に近づいたためだ。

さらに、犯罪の手口も高度化している。従来のボイスフィッシングやSMS詐欺に加え、「投資詐欺グループ」「ロマンス詐欺」「無断キャンセル詐欺」など新たな形態が登場している。海外拠点や分業型の組織も増え、捜査の難易度は一段と高まっている。

しかし現場では、今回の基準見直しに懸念の声も上がる。海外拠点や組織的犯罪に対しては、個別の警察では対応に限界があるためだ。実際、犯罪に使われる口座の多くは使い捨てで、末端の回収役までは追跡できても、上位組織の摘発は容易ではないという。

また、被害額を基準に事件を振り分けることで、同一組織による犯罪でも捜査が分断される可能性があるとの指摘もある。

専門家は、専任捜査チームの強化や統合的な捜査体制、さらには国際協力の強化が不可欠だと指摘する。特にフィッシング組織の摘発には海外当局との連携が重要であり、広域レベルでの対応が求められている。

一方で、少額被害の被害者が十分な支援や対応を受けられなくなる可能性も指摘されており、制度運用のバランスが課題となりそうだ。

(c)MONEYTODAY

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