
高価な車に乗るほど、車を単なる移動手段ではなく自己表現の象徴として捉える傾向が強まり、それが運転マナーの悪化につながる可能性があるとの分析結果を、ソウル研究院が発表した。
同研究院スマート交通研究室の報告書によると、ソウル市民2000人を対象とした調査で、車の価格帯が高いほど「車に対する自負」の水準が高くなる傾向が確認された。5点満点評価では、高価格帯の車を所有する層が平均3.42点と最も高く、中価格帯は3.18点、低価格帯は2.97点だった。
また、「自分の車は自分を表している」「高級車に乗る人はより尊重される」といった設問でも、高価格車や輸入車の所有者ほど同意する割合が高かった。研究チームは、車の所有が単なる消費にとどまらず、個人のアイデンティティ形成に関わる心理的要素として機能していると分析している。
一方で、こうした認識は実際の運転態度にも影響を及ぼす可能性がある。調査では、他人のマナー違反に対する許容度を尋ねた結果、車への愛着や象徴性を強く感じている人ほど、スピード違反や無信号での車線変更、割り込み、交差点での進入過多などに対して寛容な傾向がみられた。
特に、周囲に迷惑をかける迷惑駐車への容認度が最も高く、車への過度な愛着が「自分の車のための空間確保」という自己中心的な行動につながる可能性が示唆された。
研究チームは、こうした意識が交通渋滞や環境負荷といった社会的コストの増大にも影響すると指摘する。車を自己の一部と捉えるほど利用頻度が増え、結果として混雑や排出ガスの増加につながるほか、攻撃的な運転が事故リスクを高める要因にもなり得るという。
そのうえで、従来の取り締まりや罰則中心の交通政策に加え、運転者の心理や価値観といった要素も考慮した新たな政策の必要性を提言している。
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