2026 年 4月 3日 (金)
ホーム社会「ベルト外せ、荷物は捨てろ!」客室乗務員の接客スマイルが消える瞬間…韓国・緊急脱出訓練で響いた“命の命令口調”

「ベルト外せ、荷物は捨てろ!」客室乗務員の接客スマイルが消える瞬間…韓国・緊急脱出訓練で響いた“命の命令口調”

柳韓大学に開設された航空訓練センター内の「ドアトレーナー」訓練場(c)news1

航空機の緊急時、客室乗務員が普段の丁寧な口調とは一変し、「ベルト外せ、荷物は捨てろ」といった強い命令口調で指示を出す理由が、訓練現場の取材で明らかになった。乗客の迅速な行動を引き出し、限られた時間内に避難を完了させるためだ。

韓国京畿道富川市の柳韓大学に新設された航空会社の訓練センターでは、実物大の機内模型を用いた緊急脱出訓練が実施されている。大型機エアバスA330型機の機内を再現した施設では、不時着を想定し、乗務員が非常ドアを手動で開け、乗客を外へ誘導する一連の動作が再現された。

機長の「衝撃に備えよ」という指示の後、乗務員は即座に立ち上がり、懐中電灯を手に「ベルト外せ、荷物は捨てろ、こちらへ」と大声で指示を出した。その姿は接客時とは異なり、訓練教官のような厳しい口調だった。

訓練担当者は「非常ドアを開けてから90秒以内に全乗客を避難させる必要がある。そのためには短く明確な命令を繰り返し、即座に行動させることが重要だ」と説明する。実演は1分余りだったが、乗務員の髪が汗で濡れるほどの緊張感が漂っていた。

続いて、脱出用スライドを使った訓練に移った。高さ約4メートルのスライドを用い、乗務員は「乗務員脱出」と声を上げながら滑り降りた。すべての乗客を避難させた後、最後に機外へ脱出する役割のため、訓練中も緊張感を保ち続けていた。

さらに機内火災を想定した訓練では、煙が充満する空間で2人1組となり、一方が機長へ通報し、もう一方が消火器で初期消火に当たった。担当者は「機内火災は初動対応に失敗すれば重大事故につながるため、迅速な対応能力が不可欠だ」と強調した。

訓練センターは約960平方メートルの規模で整備され、航空会社の乗務員だけでなく大学の学生教育にも活用される。関係者は「航空業界において安全は最優先であり、その基盤は人材にある」と述べ、実践的な訓練を通じた安全性向上に力を入れる考えを示した。

非常時に見られる乗務員の厳しい口調の背景には、乗客の命を守るための徹底した訓練と、秒単位で判断が求められる現場の現実がある。

(c)news1

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