
中東情勢の長期化により、石油化学の基礎原料であるナフサの供給が不安定となり、韓国の生活現場に深刻な影響が広がっている。ゴミ袋やビニール製品の品薄が発生し、洗濯店やカフェ、インテリア業界などから悲鳴が上がっている。
韓国石油公社によると、ナフサ価格は1バレル133.74ドル(約2万1560円)と、1カ月前に比べ約94%上昇した。
ナフサはプラスチックやビニール、ゴムの原料となるため、その供給不安は日用品から産業資材まで幅広く影響する。韓国は需要の約45%を輸入に依存しており、とりわけ中東情勢の影響を受けやすい構造となっている。
ソウル市麻浦区で洗濯店を営む女性は、ドライクリーニング用の油代が2倍以上に上昇し負担が大きいと訴える。小規模店舗では原料の事前確保も難しく、経営を圧迫している。
別の店主も、ビニール原材料の値上げ通知を受けたとし、包装の削減などの対応を検討しているという。
包装資材を多く使う飲食業界でも影響は深刻だ。カフェ経営者の間では、ゴミ袋を買いだめすべきかという不安が広がり、パン店では通常より早めにビニール袋を確保する動きが出ている。
実際、スーパーやコンビニでは大容量のゴミ袋を中心に在庫切れが相次ぎ、朝から入荷を問い合わせる客がいるとの声も聞かれる。
影響はさらに広がっている。インテリア業界ではタイル価格が5%上昇し、印刷業界でもインクや素材が約10%値上がりする見通しだ。不動産市場の低迷で需要が弱い中でも、原材料価格の上昇により最終的には消費者価格の引き上げが避けられない状況となっている。
政府は輸出制限や買い占め防止、在庫管理などの対策を進め、ゴミ袋の供給に問題はないと説明している。一部自治体では一般のビニール袋でのゴミ排出を認める措置も取られた。
しかし現場では不安が収まらず、買いだめによる品薄が続いている。専門家は、供給状況を正確に示し不安心理を抑えることが重要だと指摘し、政府に対して透明性の高い情報提供と需要予測に基づく対応を求めている。
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