
新型コロナ禍以降に広がった節酒志向と、物価高・高金利による内需低迷の影響で、韓国では酒類だけでなく酒精(エタノール)メーカーの業績も悪化している。焼酎のような高アルコール飲料の消費が減少しているためだ。酒精は穀物を原料とする飲用エタノールで、焼酎の主成分に当たる。
各社が公表した事業報告書によると、昌海エタノールの2025年の売り上げは1033億ウォン(約113億6300万円)で、前年より25億ウォン(約2億7500万円、2.5%)減少した。営業利益も4億ウォン(約4400万円、2.2%)減の174億ウォン(約19億1400万円)だった。
「PUNGGUK Ethanol」は売り上げが1635億ウォン(約179億8500万円)と前年より72億ウォン(約7億9200万円、4.6%)増加したものの、主力の酒精事業部の売り上げは43億ウォン(約4億7300万円、7.1%)減の562億ウォン(約61億8200万円)に落ち込んだ。同社はガスや水素事業も手掛けている。真露発酵の売り上げも998億ウォン(約109億7800万円)と、17億ウォン(約1億8700万円、1.7%)減少した。
酒精は供給企業が限られ、ほとんどの製品が「大韓酒精販売」を通じて酒類メーカーに供給されるため、比較的安定した業種とされてきた。しかし最近は、焼酎を中心とする酒類消費の減少を受け、成長が鈍化している。
国税庁の統計によると、希釈式焼酎の出荷量は2020年の87万4537キロリットルから2024年には81万5712キロリットルへと、4年間で6.7%減少した。一方、同期間のビール出荷量は4.5%増加しており、対照的な動きとなっている。
こうした流れの中、焼酎市場で首位の「ハイト眞露」は2025年の売り上げが2兆4985億ウォン(約2748億3500万円)、営業利益が1723億ウォン(約189億5300万円)で、それぞれ3.9%、17.2%減少した。「チョウムチョロム」や「セロ」を展開する「ロッテ七星飲料」の酒類部門も、売り上げと営業利益がそれぞれ7.5%、18.7%減少した。
20~30代の若年層を中心に、高アルコール飲料を避け、コーヒーや茶などに置き換える傾向が強まっていることが、酒類市場の低迷につながっている。新型コロナを機に職場の会食文化が変化し、単身世帯の増加で集団での飲酒機会が減ったことも背景にある。
業界関係者は「コロナ禍以降に成人となった20代を中心に、焼酎のような従来型の高アルコール製品を敬遠する動きが広がっている。ノンアルコール製品の投入も進めているが、市場規模はまだ小さく、有効な打開策が見当たらないのが現状だ」と話している。
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