2026 年 3月 14日 (土)
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トランプ米大統領訪中目前、米朝対話の余地はあるのか

2019年6月30日、板門店で握手するトランプ米大統領とキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記(c)news1

トランプ米大統領の中国訪問が約3週間後に迫る中、米朝対話の再開が可能かどうかに関心が集まっている。だが最近の国際情勢の変化により、対話の可能性は当面低下しているとの見方が強い。

トランプ大統領は3月31日から4月2日まで北京を訪問し、習近平国家主席と会談する。米大統領の中国訪問は2017年以来で、関税問題や台湾問題など幅広い懸案が議題になるとみられている。

韓国政府はこの訪中を注視してきた。トランプ大統領が以前から北朝鮮との対話に意欲を示しており、中国訪問を前後して北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記に再び会談を提案すれば、米朝首脳会談が急速に進む可能性もあると見られていたためだ。

実際、トランプ大統領は2025年10月、慶州で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)を機にキム総書記との会談が実現しなかった際、「来年4月に中国を訪問する予定だ。キム総書記への敬意を持って再び訪れる」と語っていた。

韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領も、米国を「ピースメーカー」、韓国を「ペースメーカー」と位置づけ、米朝対話の仲介を通じて南北対話の再開を図る構想を示していた。南北関係が極度に冷え込む中、トランプ訪中が朝鮮半島情勢を変える契機になるとの期待もあった。

しかし最近、その期待に水を差す出来事が相次いだ。

まずキム・ジョンウン総書記は先月開かれた朝鮮労働党第9回大会で、韓国との関係改善の余地を改めて否定した。韓国を「もはや同族ではない」とし、敵対する二つの国家という立場を強調したうえ、「韓国の完全崩壊の可能性」にまで言及して緊張を高めた。

さらに、米国とイスラエルによるイラン攻撃をきっかけに中東情勢が緊迫化したことも、米朝対話には不利な要因とみられている。北朝鮮の友好国であるベネズエラへの政権交代圧力に続き、核交渉を進めていたイランとも軍事衝突に至ったことで、キム総書記にとってトランプ大統領は一層「信頼しにくい相手」になった可能性があるためだ。

すでにトランプ政権1期目に米朝交渉が決裂した経験もあり、北朝鮮が現在の状況で積極的に対話に応じる理由は少ないとの見方が多い。

一方で、米国側にも北朝鮮問題に集中する余力があるのか疑問視されている。ロシアのウクライナ侵攻は4年目に入り、イランとの衝突も激化しているうえ、国内では11月の中間選挙を控えて政治的負担が増しているためだ。

専門家の間では、トランプ大統領は今回の訪中で中国との対立構図の調整により力を注ぐ可能性が高いとの分析が出ている。北朝鮮問題まで同時に主導する余裕は限られているとの見方だ。

このため、トランプ訪中が直ちに朝鮮半島情勢の転機になる可能性は低いとみられている。韓国政府内でも、米朝対話に過度な期待を寄せるより、長期的な役割を模索すべきだとの認識が広がっている。

政府関係者は「何もしなければ何も起きないという言葉の通り、最悪の南北関係の中でも韓国としてできることに集中している」と述べた。

キム・ジョンウン総書記は党大会で「韓国との関係に残っているものは何もない。あるのは国益に基づく冷徹な計算と徹底した対応だけだ」と語った。冷たい言葉にも見えるが、状況が変われば対応を見直す余地を残した発言とも受け止められている。

(c)news1

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