
韓国の現代自動車と起亜が2026年1~3月期に過去最高の売上高を記録した一方、米国の自動車関税と為替急変の影響で営業利益は20%以上減少したことが分かった。中東戦争で原材料価格も上昇しており、4~6月期の業績防衛も容易ではない状況だ。
両社は収益性の高い車種の販売比率を高め、収益改善を図る方針だ。ロボティクス、自動運転、ソフトウエア中心車両(SDV)など未来技術への投資も継続する。
金融監督院の電子公示システムによると、現代自動車と起亜の1~3月期連結ベースの合算売上高は75兆4408億ウォン(約8兆2984億8800万円)、営業利益は2兆5147億ウォン(約2766億1700万円)だった。合算売上高は前年同期比4.2%増え、1~3月期として過去最高を達成した。一方、合算営業利益は28.9%減少した。
売上高拡大をけん引したのは、一般的な内燃機関車より価格が高い環境対応車だった。現代自動車の1~3月期の環境対応車販売台数は前年同期比14.2%増の24万2612台、起亜は33.1%増の23万2000台だった。いずれも1~3月期として過去最多で、全販売台数に占める環境対応車の比率は現代自動車が24.9%、起亜が29.7%に上昇した。
市場シェアも伸びた。現代自動車の世界販売台数は前年同期比2.5%減の97万6219台にとどまったが、世界自動車市場全体が7.2%縮小したため、世界シェアは0.3ポイント上昇し4.9%となった。起亜の世界販売台数は0.9%増の77万9741台で、1~3月期として過去最多。世界シェアは0.5ポイント上昇し4.1%となり、初めて4%を突破した。
問題は費用だ。両社は韓米自由貿易協定(FTA)により2025年1~3月期まで無関税で米国に車を輸出していたが、2025年4月に始まった米国の自動車品目関税により、2026年1~3月期には15%の関税が適用された。関税費用は現代自動車が8600億ウォン(約946億円)、起亜が7550億ウォン(約830億5000万円)で、合計1兆6150億ウォン(約1776億5000万円)に達した。
2025年11月の韓米政府による通商交渉妥結で、韓国車への関税率は従来の25%から10ポイント下がったが、なお大きな負担だ。関税費用がなければ、2025年1~3月期の合算営業利益6兆6422億ウォン(約7306億4200万円)に近い、6兆3347億ウォン(約6968億1700万円)の営業利益を確保できたとの計算になる。
急激な為替変動も収益の足かせとなった。1~3月期のウォンの対ドル平均相場は1ドル=1465ウォンで前年同期比0.9%のウォン安だったが、3月末の急落で期末相場は1513ウォンとなった。このため、外貨建て販売保証引当負債の期末ウォン換算額が一時的に増えた。
為替による販売保証引当負債の増加分は現代自動車2700億ウォン(約297億円)、起亜4200億ウォン(約462億円)で、合計6900億ウォン(約759億円)に上った。
2月28日に始まった米国・イラン戦争の長期化で、国際原油価格に加え、アルミニウム、ニッケル、パラジウムなど原材料価格が上昇していることも重荷だ。1~3月期には両社合算で約4000億ウォン(約440億円)の費用増を招いたと推定される。
両社は、予測しにくい経営環境が当面続くとみて、環境対応車やSUVなど高収益車種の販売比率を高める。現代自動車は中国・北京で電気自動車ブランド「アイオニック」初の現地専用モデルとなる中型電気セダン「アイオニックV」を公開。起亜は1月、ベルギー・ブリュッセルで小型電気SUV「EV2」を披露した。
未来車関連の投資も予定通り続ける。現代自動車は1月のCESで発表した通り、2026年7~9月期に米ジョージア州サバンナでロボット・メタプラント・アプリケーションセンター(RMAC)を開設し、2028年には年3万台規模のロボット工場を設立する。
起亜もSDVの技術検証用少量生産車を2027年に開発完了し、2028年初めの発売を目指す。その後、都市部で自動運転が可能なSDV量産車へ段階的に移る日程に大きな変化はないとしている。
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