
中国がトランプ米大統領の訪中を前に北朝鮮との関係強化を進めている。北朝鮮と米国の接触や対話再開に向けた布石との見方と、習近平国家主席がトランプ大統領との会談を控え、反米連携を強めようとしているとの分析が同時に出ている。
韓国政府は、北朝鮮と中国を結ぶ国際旅客列車が12日から運行を再開すると把握している。両国の旅客列車運行が再開されるのは、新型コロナウイルスの流行で北朝鮮が国境を閉鎖して以来、約6年ぶりとなる。
再開される路線は平壌―北京で、北中境界の最大拠点である丹東にも停車するという。週4回運行される予定で、事実上、中朝間の民間交流が全面的に再開される動きともみられる。
1954年から運行されてきた中朝旅客列車は、両国の経済協力や観光交流の象徴でもある。新型コロナ流行以前には、北朝鮮の観光当局が「列車観光」プログラムを運営し、中国人観光客を誘致していた。
当面再開される列車は中朝両国の公務関係者が主に利用するとみられ、観光など民間交流の本格的な拡大には時間がかかるとの見方もある。ただ、ロシアより地理的利点が大きい中国との交流が広がれば、中朝関係も急速に改善する可能性がある。
焦点は中国の意図だ。北朝鮮と中国は、ウクライナ侵攻や北朝鮮とロシアの接近などを背景に、従来の「血盟」関係がやや緩んだとの評価が出ていた。
外交関係者や専門家の間では、現在の国際情勢が北朝鮮と中国双方の利害を一致させる方向に動いているとの見方が多い。北朝鮮はウクライナ侵攻終結後、ロシアとの関係に限界が生じる可能性に備える必要があり、中国はインド太平洋地域で米国の影響力を抑えるため同盟関係の管理を強化する必要があるためだ。
特に中国にとっては、米国が中東情勢への対応に大きな資源を投入している現状が外交的機会となり得る。米国の圧力が弱まる状況を利用し、外交的利益を最大化しようとする構想の可能性も指摘されている。
こうした流れの中で、中国が北朝鮮を説得し米国との接点を作ろうとする可能性があるとの観測も出ている。中東問題に続き北朝鮮問題にも米国の関心を向けさせ、中国への圧力を分散させる狙いだという。
パク・ウォンゴン(朴元坤)梨花女子大学北韓学科教授は「北朝鮮は米国との対話を準備する際、中国を後ろ盾にする場合が多い」とし、「今回の列車運行再開は中朝関係回復の実質的な第一歩とみることができる」と話した。
一方、中国が米国への対抗を強めるため北朝鮮との連携を強化しているとの見方もある。北朝鮮の事実上の核保有国としての地位を容認し、ロシアとともに対米共闘を強める可能性だ。
キム・ヨンヒョン(金容賢)東国大学北韓学科教授は「旅客列車運行の再開を、中国が米朝対話の舞台を整える措置とまで拡大解釈する必要はない。米中首脳会談を前に、中朝関係が緊密に機能していることを示す象徴的措置の可能性が高い」と分析した。
中国の動きは韓国の対北朝鮮政策にも影響を及ぼす可能性がある。中国が北朝鮮を動かして対話の場を作れば、イ・ジェミョン(李在明)政権が進めてきた対北朝鮮政策にも追い風となる。一方、反米連携が強まれば政府の対北朝鮮構想は停滞する可能性もある。
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