
もはやこれは「南南対立」と呼ぶべき状況だ。北朝鮮政策をめぐり、韓国での「自主派」と「同盟派」が互いに平行線をたどる構図は、すでに「健全な論争」の域を超えてしまっている。
当初は、この論争が良い方向に働く可能性もあると思っていた。韓国政府が一方的に方向性を定め、「正しさ」を押しつけていた対北朝鮮政策が、社会全体の議論の場に下りてくるきっかけになるかもしれないと期待していたからだ。
しかし最近では、自主派と同盟派の対立は論争というより「争い」になっている。両陣営がそれぞれ異なる方向を「国益のため」と信じていることに疑いはないが、片方が他方を否定する姿勢は、健全な論争とは程遠く、単なる「陣営対立」にしか見えない。
両派は、米韓合同軍事訓練の調整の是非や、「南北を二つの国家として認めるか否か」といった根本的なテーマを巡り、公の場で激しく意見を対立させてきた。
政府内部で外交・安全保障政策に関して意見が割れ、それが表に出ること自体が異例である。
象徴的な場面もあった。12月3日、北朝鮮問題の「自主派」の重鎮であるムン・ジョンイン(文正仁)延世大学名誉特任教授が、南北関係に関する座談会で、「同盟派」の中心人物であるウィ・ソンラク(魏聖洛)国家安保室長に対して「ご自身ではよくやっているとお考えでしょうが、私には調整が必要に見える」と、事実上の辞任を促す発言をしたのだ。
これに対し同盟派は「自主派が元高官の口を借りて個人攻撃をした」とし、感情的な反発を強めたという。
こうして陣営同士が争っている間にも、北朝鮮はますます遠ざかっている。核兵器の保有量は増え、作戦の多様化も進んだ。かつては未成熟な脅威とされていた北朝鮮の核は、今や簡単に抑えられない洗練された軍事的脅威となっている。
しかし我々は「非核化」という言葉と「核のない朝鮮半島」という言い回しのどちらが適切かをめぐって議論をしている。北朝鮮の核問題への対応としては、トランプ米大統領による米朝首脳会談に過度に依存し、政府独自の青写真を示すこともできていない。
さらに、現在の韓国軍が北朝鮮の高性能核戦力にどう対抗するのか、国民に明確に知らされているとは言い難い。つまり、「現実に置かれた状況」と「国民が知っている現実」の間に乖離がある。
韓国大統領府はこの状況をまだ「健全な論争」と見ているようだ。大統領室のカン・ユジョン(姜由楨)報道官は12月15日のブリーフィングで、「これは対立ではない」「北朝鮮との対話の糸口を探っている状況で、さまざまな方法を模索している」との見解を示した。
だが、両派の融和は困難に見えるというのは、筆者だけの感想ではないだろう。今こそ、大統領が舵を取るべきときではないか。
このまま対立が激化すれば、大統領が「どちらかを選ぶ」局面に追い込まれる可能性もある。そうなれば、我々の選択肢は狭まり、「最悪の一手」を打つことになりかねない。
厳しい国際情勢の中で、分かり切った悪手を打つ理由はどこにもない。【news1 ソ・ジェジュン外交安保部長】
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