2025 年 7月 1日 (火)
ホーム社会「深夜に子どもの預け先がない」…深夜の火災で浮き彫り、韓国の“ケアの死角”

「深夜に子どもの預け先がない」…深夜の火災で浮き彫り、韓国の“ケアの死角”

(c)news1

韓国で最近、保護者が仕事などで外出している間に幼い子どもの命が失われる火災が相次いだ。スプリンクラーの未設置など不十分な消防インフラも原因の一つに違いないが、「深夜に急きょ子どもを預ける場所がない」という「ケアの死角」も重大な要因だと指摘されている。

釜山(プサン)では共働きの両親が仕事に出ている間に火が出て、寝ていた小学生の姉妹2人が命を落とす痛ましい火災が起きた。2023年12月には、蔚山市南区(ウルサンシ・ナムグ)のワンルームマンションで父親が留守中に火災が発生し、5歳の女児が亡くなった。

蔚山市はこうした問題に備え、2024年10月、南区に広域市としては初めて24時間対応の「市立子どもケアセンター」を開設した。

市によると、センターの利用者数は昨年10月の325人から今年2月には668人まで増加。その後も月間500人前後が利用している。多くはひとり親家庭で、夜間勤務や急な出産などによって子どものケアが必要になるケースが目立つという。

市関係者は「予期せぬ状況で子どもを預ける必要が生じた際、センターが大きな助けになっている」と述べた。

しかし、1カ所だけでは急なニーズを十分にカバーできないという指摘もある。8歳の子どもの保護者は「センターは知っているが、いざという時に遠くて利用しにくい」と訴える。

市も不十分であることは認識しており、長期的な対策を講じる構えだ。現在は午後10時までの夜間・土曜対応型「拠点型ケア事業」を1カ所から2カ所に増やすほか、地域住民同士が支え合う事業も並行して進めるとしている。

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