
スマートフォン以降の個人端末の主導権を巡り、グローバルIT企業の競争が再び眼鏡型端末へ向かっている。メタが「レイバン・メタ」スマートグラスで市場を先行開拓した中、韓国サムスン電子と米グーグルもAIグラス競争に本格参入した。
スマートグラスは2010年代初めに注目を集めたが、グーグルが2013年に公開した「グーグルグラス」は高価格や装着感、プライバシー問題などで普及せず、個人向け販売は2015年に終了した。その後の企業向けモデルも2023年に販売とサポートを終えた。
しかし生成AIの拡散により、スマートグラスは再び注目されている。AR表示よりも、カメラやマイクを通じて周囲を認識し、利用者を支援する「AI秘書型」へ重点が移っているためだ。
サムスン電子とグーグルは19日、米カリフォルニア州マウンテンビューで開かれた「グーグルI/O 2026」で新型AIグラスを公開した。ファッションブランド「ジェントルモンスター」「ワービーパーカー」と協業し、日常的に装着できるデザイン性を重視した。
グーグルのAIモデル「ジェミニ」と「アンドロイドXR」を基盤に、音声で道案内、メッセージ送信、写真撮影、リアルタイム翻訳、予定追加などを利用できる。サムスン電子はハードウエア、グーグルはAIとOS、デザイン企業は外観設計を担当する。
市場ではメタが先行している。市場調査会社カウンターポイントリサーチによると、2025年下半期の世界スマートグラス出荷量は前年同期比139%増加し、AIスマートグラスが全体の88%を占めた。メタのシェアは82%だった。
一方で課題も多い。価格や重さ、バッテリー性能などの詳細仕様は未公開で、長時間装着への負担や価格面への懸念も残る。さらに、カメラやマイクによる無断撮影・録音への不安など、個人情報保護問題も大衆化への壁になるとみられている。
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