
2019年の工場爆発事故に伴う作業中止命令で軍需品の納品が遅れたとして、韓国の防衛産業大手ハンファエアロスペースが国(防衛事業庁)を相手取り、差し引かれた遅延賠償金の返還を求めた訴訟の上告審で、韓国大法院(最高裁)は8日までに、原告一部勝訴とした二審判決を概ね支持し、国側に約20%の返還を命じる判決を確定した。ただ、遅延損害金の計算方法に誤りがあったとして、一部の判断をソウル高裁に差し戻した。
ハンファエアロスペースの大田(テジョン)事業所では2019年2月、ロケット推進体から燃料を分離する作業中に爆発事故が発生し、作業員3人が死亡した。雇用労働省の地方労働庁はこれを重大災害と認定し、事業所全体に全面的な作業中止命令を出した。この命令は段階的に解除されたものの、完全に解除されるまでには181日を要した。
同社はこれに先立ち、防衛事業庁と計5回、総額1兆1222億ウォン相当の物品購入契約を結んでいたが、長期にわたる操業停止の影響で納期を数日から数カ月超過して納品した。防衛事業庁は契約規定に基づき、損害賠償の性質を持つ遅延賠償金として計98億7647万ウォンを差し引いた上で代金を支払った。これに対し同社は2022年6月、「政府の作業中止命令による遅延であり、自社に責任はない」として全額の返還を求める訴訟を起こしていた。
一審のソウル中央地裁は2023年7月、「事故による事業所全体への作業中止命令は合理的で必要だったとみられ、納品遅延について同社に責任がないとは言えない」としつつも、重大災害処罰法の施行後に同様の命令を受けた企業の平均操業停止期間(37日)に比べ、同社への命令(181日)は比較的長く、賠償金の負担が過大であると指摘。政府側に総額の20%に当たる19億7534万ウォンの返還を命じた。
政府側は控訴したものの、二審のソウル高裁も2024年7月にこれを棄却。大法院も今回、一審・二審が認めた減額比率について、公平の原則に照らして著しく不合理とは言えないとして国側に20%の返還義務を認めた。ただ、遅延損害金については商法上の法定利率ではなく、国家契約法に基づく利率を適用すべきだとして、二審判決の一部を破棄し差し戻した。
ハンファエアロスペースを巡っては、過去の事故への政府の操業停止処分が不当に長かったと法廷で主張し、最高裁で一部勝訴を勝ち取った形だ。しかし、同社の大田事業所では今月1日にも固体燃料の洗浄作業中に再び大規模な爆発事故が発生し、5人が死亡、2人が負傷したばかり。
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