
ソウル・漢江を行き来する漢江バスが、単なる交通手段や遊覧船を越え、ソウル不動産の過去と現在、未来を一目で見渡せる新たな現地見学手段として注目されている。
19日、汝矣島の漢江バス乗り場を出発すると、水面の向こうにソウルのスカイラインがゆっくりと広がった。汝矣島から蚕室まで約1時間20分続くルートでは、古い再建築予定団地から盤浦の超高層新築マンション、狎鴎亭の現代マンション、聖水洞の高層住商複合まで、ソウルの住宅価格をけん引する「大将株」団地が漢江沿いに次々と姿を見せた。
最初に目に入るのは汝矣島の古い中層マンション群だ。中でも試範マンションは、1971年に竣工した汝矣島初期開発を象徴する老朽団地で、24棟1584戸からなる。漢江沿いの立地と広い敷地持ち分により、再建築期待が大きい。現在進められている再建築案には、最高約65階の超高層住宅団地と水辺スカイライン造成計画が含まれ、完成すれば約2500戸規模の大団地に生まれ変わる見通しだ。
漢江バスが銅雀大橋方面へ向かうと、雰囲気は一変する。ソウルで最も高価なマンションが並ぶ盤浦一帯だ。特に「ラミアン・ワンベイリー」と「アクロリバーパーク」は、漢江沿いで存在感を示す代表的な高級団地だ。
2016年竣工のアクロリバーパークがかつての大将株なら、2023年8月竣工のワンベイリーは現在の大将株とされる。ワンベイリーでは2025年7月、専有面積84平方メートルが72億ウォン(約7億9200万円)で取引され、3.3平方メートル当たり2億ウォン時代を開いた。専有234平方メートルは2025年初めに165億ウォン(約18億1500万円)で取引された。
その隣では「盤浦DHクラスト」の工事が進んでいる。盤浦住公1団地の一部を統合開発した団地で、地下5階~地上最高35階、約50棟、約5000戸規模として2027年11月竣工予定だ。規模と立地の面で、ワンベイリーの後を継ぐ未来の大将株になる可能性が高いとみられている。
盤浦を過ぎると、漢南洞一帯では漢南ニュータウン再開発の工事現場が広がる。最大規模の漢南3区域では撤去作業が約90%完了しており、従来の低層住宅地と新築高級住宅地が共存する地域へ変わりつつある。
漢南大橋から東湖大橋へ向かう途中には、狎鴎亭現代マンション一帯が見える。1~14次を合わせて約6335戸規模の超大型団地に生まれ変わる見通しで、ソウル再建築市場の象徴的な地域とされる。ソウル市は狎鴎亭一帯24団地を6つの特別計画区域に分け、大規模整備事業を進めている。
向かい側の聖水洞には「ギャラリアフォーレ」「トリマジェ」「アクロソウルフォレスト」など、50階近い高層住商複合が並ぶ。ソウルの森の眺望と漢江への近さを背景に、芸能人や資産家が好む高級住宅地として定着している。さらに聖水戦略整備区域では、最高250メートル、約9400戸規模の水辺住宅団地造成が推進されている。
清潭洞側には30戸以下の超高額住宅団地が集まる。「エテルノ清潭」と「ザ・ペントハウス清潭」は2026年の共同住宅公示価格1、2位を占め、全国で最も高価な共同住宅となった。特にエテルノ清潭は、歌手IUやサッカーのソン・フンミン選手の住居として知られ、象徴性を高めた。15日には専有231平方メートルが218億ウォン(約23億9800万円)で取引され、2026年の全国マンション取引で初めて200億ウォン(約22億円)を超えた。
永東大橋と清潭大橋の間には、2025年に入居した「清潭ルエル」も目立つ。清潭三益マンションを再建築した団地で、地下4階~地上35階、9棟1261戸規模だ。2026年初めには専有84平方メートルの入居権が67億~70億ウォン(約7億3700万~7億7000万円)で取引された。
終点の蚕室へ近づくと、「エルス」「リセンツ」「トリジウム」と呼ばれる蚕室の代表団地が漢江沿いに並ぶ。その横には低層の「蚕室住公5団地」がロッテワールドタワーの下に見える。再建築が完了すれば、最高70階前後、約6400戸規模の超大型団地に変わる見通しだ。
汝矣島の老朽再建築団地から盤浦、狎鴎亭、聖水、清潭、蚕室まで続く漢江沿いの風景は、単なる都市のスカイラインではない。ソウル不動産市場の過去と現在、そして未来が、漢江に沿って広がる巨大な展示場のように映った。
(c)NEWSIS