
中東情勢の緊迫化でエネルギー供給の不確実性が高まる中、主要な産油国が韓国の石油備蓄施設の活用に関心を示し、協議が進められている。韓国のエネルギー安全保障を強化する新たな手段として注目されている。
韓国政府によると、アラブ首長国連邦など中東の産油国が、自国の原油を韓国内の備蓄基地に保管する案を巡り協議を進めている。ホルムズ海峡の封鎖リスクを背景に、輸送ルート外に拠点を確保する狙いがあるとみられる。
この仕組みは「国際共同備蓄事業」と呼ばれ、産油国の原油を韓国に保管する代わりに、有事の際には韓国がその原油を優先的に購入できる権利を確保するものだ。直接購入しなくても備蓄効果を得られる「間接的な国家備蓄」と位置づけられている。
韓国が注目される背景には、整備されたインフラがある。大規模な貯蔵施設に加え、精製や石油化学設備も充実しており、中東とアジア市場を結ぶ地理的な利点も持つ。
政府はこうした協力拡大と並行して、代替原油の確保も進めている。4月と5月だけで合計1億1000万バレル規模の原油を確保し、短期的な供給不安への備えを強めている。
専門家は、国際共同備蓄の拡大は事実上「第2の国家備蓄システム」となり得ると指摘する。供給源の多様化や価格交渉力の向上にもつながるとの見方だ。
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