2026 年 4月 20日 (月)
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「検察消滅」の裏に潜む矛盾…韓国が進める「検捜完剥」の危うい実態 [韓国記者コラム]

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韓国で検察の捜査権と起訴権を分離する「検察改革」が最終段階に入った。

韓国与党は重大犯罪捜査庁や公訴庁の設置を進めており、10月には検察庁が歴史から姿を消す。これにより「検捜完剥」と呼ばれる検察の捜査権の完全剥奪が事実上完結することになる。

しかしその一方で、特別検察(特検)への依存が強まっている現状には違和感が残る。

韓国与党代表は最近、捜査の過程で明らかになった犯罪について特検を通じて真相を解明し、責任者を処罰すると強調した。さらに新たな特検の発足にも意欲を示している。

だが、ここには構造的な矛盾がある。

特検の実務を担うのは特検そのものではなく、各機関から派遣される検察官だ。彼らは捜査チームを率い、実務を総括しながら直接捜査を担う。過去の特検でも100人規模の検察官が動員されてきた。

つまり、検察の直接捜査を制限しようとする一方で、特検の枠組みでは同じ検察官が直接捜査を担う構図が続いている。捜査と起訴の分離を掲げながら、特検ではその原則が適用されないという制度上の不整合が生じている。

さらに、将来的に検察の補完捜査権まで廃止された場合、検察官の捜査能力や経験が活用されにくくなる可能性がある。その結果、特検においても十分な成果を上げることが難しくなる懸念がある。実際、政府はこれまで複数の特検を相次いで発足させてきた。

大規模な人員と費用を投入しながら特検に依存する状況が続く背景には、既存の捜査機関だけでは国民が納得する結果を得られないという不信もあるとみられる。しかし本来、特検は例外的に運用されるべき制度だ。

これが常態化すれば制度疲労を招き、制度全体の信頼性を損なう恐れがある。制度の整合性を欠いたまま改革が進めば、「重大犯罪の解明」という本来の目的に反し、新たな歪みを生む可能性も否定できない。その影響は最終的に国民に及ぶ。

検察改革と特検活用のバランスをどのように取るのか。いま、制度全体の整合性が厳しく問われている。【news1 パク・ヨンジン社会部法曹チーム長】

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