2024 年 4月 29日 (月)
ホーム特集SDGs~韓国の取り組み「廃おもちゃ、地面に埋めれば分解に500年」だから手で分解という韓国式リサイクル

「廃おもちゃ、地面に埋めれば分解に500年」だから手で分解という韓国式リサイクル

捨てられたおもちゃをリサイクルして作ったプラスチック素材の前で分類作業をしている(c)MONEYTODAY

「焼却・埋め立ての危機に瀕したおもちゃをリサイクルすると生活用品、建築材料、芸術作品、さらにはおもちゃにまで生まれ変わります」

これは、韓国で廃おもちゃのプラスチックリサイクル事業を営む「クムジャドン」の創業者であり社団法人「トゥルー」の事務総長でもあるパク・ジュンソン氏(53)の言葉だ。30年前、英国留学中にリサイクルを学んだのを機に、この事業に飛び込んだパク氏は「愛していたおもちゃがマイクロプラスチックになって環境を汚す事実を知り心が痛んだ」と話した。

トゥルーは寄付された廃おもちゃを一つずつ手で分解し、プラスチックを粉砕したフレークをプレス機に入れて「板材」にする。トゥルーが1カ月に作るフレークは約3トン、板材は70~80枚に上る。すべて捨てると約12万キロの二酸化炭素を排出する量に相当する。

おもちゃの主原料であるプラスチックをそのまま地面に埋めれば500年以上分解されない。しかし、溶かしてペレット(粒)にすればプラスチック素材として再利用が可能だ。

おもちゃのリサイクル率は5%未満だ。プラスチックの他にもモーター、スピーカー、鉄などの素材が付いている製品が多い。このためトゥルーはおもちゃをプラスチックを含めて13種に分けて分解する。パク氏は「プラスチックにさまざまな素材が強力に接着されたおもちゃはリサイクルが非常に難しい」と指摘する。

トゥルーは、リサイクルするおもちゃの寄付を受けている。昨年寄せられた3万5000キロのうち5600キロは市民の寄付だ。残りは玩具メーカーが持ち込んだ。傷があって売れなかったり、在庫の期間が長すぎて商品価値が下がったりしたおもちゃもある。

韓国玩具工業協同組合によると、昨年の韓国国内おもちゃ市場の規模は推定約2兆ウォン(約2000億円)。国内で1年間に捨てられるおもちゃは約5万トンで増加傾向にあるという。

パク氏は「捨てられたおもちゃがフレークや板材に形が変わっても本来のおもちゃだったと考えれば心が温かくなる。子どもたちが生きていく地球がさらにきれいになるよう、おもちゃのリサイクルを増やす方法を考えたい」と話した。

(c)MONEYTODAY

RELATED ARTICLES

Most Popular