2025 年 6月 23日 (月)
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北朝鮮、板門店の「統一閣」を「板門館」に改称…「統一」用語削除政策の一環

板門店北側に位置する旧「統一閣」の外観(c)news1

北朝鮮が昨年8月、板門店共同警備区域(JSA)北側に位置する「統一閣」の名称を「板門館」に変更していたことが判明した。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が提唱した「南北は敵対的な二国家」という方針に基づき、「統一」関連の用語を全般的に削除する政策の一環と見られる。

韓国統一省は19日、「北朝鮮は昨年1月末ごろ、統一閣の看板を撤去し、同年8月11日、新たに『板門館』という看板を設置した。これは北朝鮮が昨年から推進している“統一抹消”の一環と判断している」と述べた。

北朝鮮は2023年末、党中央委員会全員会議において「南北二国家論」を採択した後、憲法、愛国歌などから「統一」や「民族」に関連する表現を次々と削除してきた。地図上でも韓国地域を空白にしたり、平壌地下鉄の「統一駅」の名称を「牡丹峰駅」へと変更したりする動きがあった。

「統一閣」は本来、南北の実務会談などをするために建てられた施設で、キム総書記の父・キム・ジョンイル(金正日)総書記が建設を提案し、命名したとされる。2018年5月には南北首脳がここで会談した。

板門店の南側には、統一閣に対応する施設として「平和の家」が存在する。両建物は、それぞれ板門店内の「自由の家」や「板門閣」の裏側に位置しており、南北会談の象徴的な場として使用されてきた。

2018年6月の米朝首脳会談を前に、当時の米国側代表であるソン・キム駐フィリピン大使(当時)と、北朝鮮のチェ・ソニ(崔善姫)外務次官(同)がこの場所で6回にわたり、実務協議を繰り返したことでも知られている。

北朝鮮は今回の「板門館」への名称変更に加え、板門閣周辺にあった「統一」に関する文言が刻まれた記念碑もすべて撤去したとされている。

韓国政府はこうした一連の措置について、「南北統一の象徴を消し去り、恒久的な分断体制を固定化しようとする政治的メッセージ」だとして、強い懸念を示している。

(c)news1

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