コラム
NEWSIS チェ・ウンス記者
ゲーム業界でも意見が分かれている。
われわれが「メタバース」と呼ぶサービスは、3次元（3D）空間で仮想アバターがソーシャルネットワークをはじめ、多様な活動ができる集まりの性格が可能な形態がほとんどだ。
こうしたサービスは、ゲーム会社が早くから展開してきたものであり、「メタバース」という用語で再び登場しただけだ、というのがゲーム陣営の主張だ。このため、メタバースがゲーム法規制の適用を受けないことが公平性に反するという不満も提起された。
また、メタバースが規制「無風」地帯になる場合、これを迂回路にしてメタバース内に不法ゲーム物が流通する副作用が発生する恐れがあるという憂慮もある。実際、最近、メタバースサービスが雨後の筍のようにできて、セクハラなど性犯罪が発生しているが、現行法上、これを制裁する規定がない。
ゲーム産業法で射幸化防止のために禁止している「換金性」もメタバースサービスからは確実に自由になれる。
メタバース市場進出に積極的に乗り出しているゲーム会社の立場では、このような政府の規制分離基調を慎重に歓迎する雰囲気だ。これに先立ち、ネクソンは先月、「メイプルストーリー」を基盤としたメタバースサービス「メイプルストーリーワールド」とネクソンゲームリソースで作り上げた仮想世界で、利用者が自由にコミュニケーションを取ることのできるモバイルコミュニティプラットフォーム「ネクソンタウン」国内モデルサービスを開始した。
またNCソフトは7日、▽コミュニティの集い▽スタディーグループ▽遠隔授業▽在宅勤務などが可能なメタバースプラットフォーム「ミニバス」――を公開した。Com2uSはCom2uSの子会社を通じてメタバースプラットフォーム「Com2uS」の発売準備に万全を期している。
メタバースがゲームと同じ規制を受ける場合、産業育成に阻害される恐れがあるという声も大きい。カカオのナムグン・フン代表は6月に開催されたデジタルプラットフォーム業界懇談会で「メタバース領域が技術的形態や容貌がゲームと似ているが、政策的に明確にゲームと区分しなければならない」と明らかにしたりもした。
問題は、まだメタバースに対する明確な法的定義さえなされていない状態で、こうした混沌がさらに大きくなっているということだ。専門家は、メタバース規制に先立ち、慎重なアプローチと十分な議論が先制されるべきだと助言している。
これは単に韓国だけの話ではない。アップルのティム・クック最高経営者（CEO）は最近、ある現地メディアとのインタビューで「一般人がメタバースを正確に理解しているとは思わない」と話した。グーグルの元CEOエリック・シュミットもメタバース概念の混乱について言及した後、「メタバースが何かに対する合意されたことはない」と指摘した。
新型コロナウイルス感染の触発で急速に新産業に浮上したメタバースが、真の私たちの未来の食べ物として定着できるか注目されている。
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