
韓国で人工知能(AI)が流通業界の働き方を変えている。従来は商品の推薦や顧客対応など「消費者との接点」での活用が中心だったが、最近はコンテンツ制作や店舗運営、マーケティング管理など企業内部の業務全般へと拡大。反復業務をAIが代替し、データに基づく意思決定を支援する「AI転換(AX)」が新たな競争力となっており、各社は技術の内製化を急いでいる。
ネット通販の「カリー」は最近、AIソリューション専門企業の買収を決め、全社的なAX能力の強化に乗り出した。実際の業務効率化にも着手しており、現在は広告バナーや商品紹介画像の制作を支援する「クリエイティブAI」を開発中だ。人が繰り返し担ってきた作業を自動化して生産性を高める狙いで、顧客対応の領域では既に「1対1問い合わせ」の約40%をAIが担っている。
トレンドの変化が激しいファッション業界でも、AIがマーケティングの効率化に貢献している。ファッション通販「エイブリー(ABLY)」は、AIインフルエンサーマーケティングソリューションを導入した。AIが自社商品への影響力が高いインフルエンサーの発掘から協業管理、成果分析までを自動で処理する。4月の大型セールではこの仕組みを活用して協業を拡大した結果、取引額が直前比で10%増加し、過去最高の注文数を記録した。同社関係者は「単純・反復業務が大きく減り、業務効率が高まった」と効果を実感している。
オフラインの店舗運営にもAI導入の波が押し寄せている。現代百貨店グループ系列のICT企業「現代フューチャーネット」は、アイスクリームチェーン「バスキン・ロビンス」を運営するBRコリアと、店舗用自動応答AIチャットボットの供給契約を結んだ。店舗オーナーやスタッフが商品情報や運営マニュアルを質問するとAIが回答する仕組みで、問い合わせ対応時間を減らして店舗の運営効率を高める。
業界内では、AI活用競争が今後さらに激化するとみられている。単なる人件費やコスト削減の手段を超え、サービス品質の改善や新たな事業機会の発掘を左右する核心技術として位置づけられているためだ。業界関係者は「初期のAIは顧客対応にとどまっていたが、最近は企業内部の業務プロセスを変える段階へ進化している。AIの活用能力が、今後の流通企業の運営効率を左右する決定的な要素になるだろう」と指摘している。
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