2024 年 4月 30日 (火)
ホーム経済IT/メタバース 韓国「ニュー」サムスン電子・李在鎔氏の1年 (下)

[KWレポート] 韓国「ニュー」サムスン電子・李在鎔氏の1年 (下)

出廷するイ・ジェヨン会長(c)NEWSIS

イ・ジェヨン会長は2017年2月、当時のパク・クネ(朴槿恵)大統領らへの贈賄容疑で逮捕され、一審で有罪判決を受けて収監された。2018年2月に二審で執行猶予となり釈放されたが、2021年1月には再び実刑判決を受けて収監された。同8月に釈放された後は、海外出張を活発に続けている。

会長就任後初の海外出張先として選んだのは中東だった。昨年末、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ・アルダプラにある「バラカ原子力発電所」の建設現場を訪問した。バラカ原発は、韓国初の海外原発建設プロジェクトだ。

今年初め、UAE経済使節団にも参加し、秋夕(チュソク、旧盆)の連休にもサウジアラビア、イスラエル、エジプトなど中東地域の事業を視察した。また、最近はユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領のサウジ国賓訪問にも経済使節団メンバーとして同行し、中東地域の事業を再度手がけた。

サウジアラビア・ネオムの現場を訪問するイ・ジェヨン会長(c)KOREA WAVE

米国もやはり、イ・ジェヨン会長が力を入れている出張先だ。ビッグテック企業との協力が重要なためだ。米韓首脳会談の経済使節団メンバーとして米国を訪問した際、エヌビディアのジェンソン・ファンCEO、グーグルのスンダル・ピチャイCEO、マイクロソフト(MS)のサティア・ナデラCEOと会った。

また、世界最大のバイオ団地がある米国東部ではジョンソン・アンド・ジョンソン、BMS、バイオジェン、オーガノンなど計20社余りの企業経営陣に会った。2014年に経営の前面に立って以来、最長期間の海外出張だった。

テスラのイーロン・マスクCEOと面会したイ・ジェヨン会長(写真=サムスン電子)(c)KOREA WAVE

この他にもイ・ジェヨン会長は就任後、日本のほかベトナム、中国、欧州(フランス、オランダ、ドイツなど)といった各地を訪問しながら現地事業を視察し、グローバルネットワークを強固に構築した。このようなグローバルネットワークを基に、サムスン電子の将来の成長動力を探すものとみられる。

ある財界関係者は「超格差技術発掘と協力のためにはグローバルネットワークが不可欠だ。このようなネットワークが大型契約の獲得に重要な役割を果たしている」と話した。

◇司法リスクなど課題山積

イ・ジェヨン会長はこの1年、慌ただしい日々を過ごした。今後、彼をさらに忙しくさせるのは司法府の裁判だろう。

イ・ジェヨン会長は二つの裁判に出廷している。サムスン物産と第一毛織の不当合併事件裁判と、サムスンバイオロジクスの粉飾会計事件裁判だ。

米国と中国の技術覇権競争の深化で半導体とバッテリー事業が直接・間接的な影響を受けているこの数年間、1週間~1カ月間隔で開かれる裁判に出廷している。このため、長期間の出張はしにくい。長い司法リスクでサムスンの疲労感も蓄積している。27日の就任1周年当日も裁判が予定されている。これは105回目の公判だ。

年内の1審判決に財界が注目する理由もここにある。

サムスングループの大規模M&A推進とグローバル事業拡大、グループコントロールタワー復活など、さまざまな経営課題が司法リスクによって進まないだろうというのが、一部財界関係者の声だ。このほか、登記役員復帰、支配構造改編などの各種懸案もある。

ある財界関係者は「早ければ11月にも判決公判が開かれる。だが、1審判決後も検察側の控訴による裁判の長期化は避けられないだろう」とみる。

(c)KOREA WAVE

RELATED ARTICLES

Most Popular