2025 年 6月 8日 (日)
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韓国・大規模山火事に不可欠な中・大型ヘリ、全国でわずか31機

延焼抑制剤を散布する山林航空ヘリ(c)news1

韓国では大規模な山火事に対応できる中・大型ヘリコプターの保有数が全国で31機にとどまっている。特に老朽化が進む大型機の運用には困難が伴う。山林庁の保有機50機のうち、実戦投入可能な中・大型ヘリは31機のみ。中型機の多くを占めるロシア製KA-32は、ロシア・ウクライナ戦争の影響で8機が稼働停止中だ。

軍の大型ヘリ「CH-47チヌーク」は大規模火災時に効果を上げているが、出動は限定的だ。山林庁は2022年、固定翼航空機の導入を試みたが、空軍との調整不足や高コストが障害となり断念された。固定翼機は高空からの放水による精度の問題や、地理的制約、導入コストが課題となっている。1機あたり約2000億ウォンとされる導入費に対し、複数の大型ヘリを550億ウォンで整備する方が効率的との意見も出ている。

一方、夜間消火への期待も高まっているが、実際には夜間出動実績は過去2年間でゼロだ。夜間消火可能な国産スリオンヘリは3機あるが、投入されていない。夜間の高圧送電線や視界不良などによるリスク、訓練や安全管理の厳格な基準が障壁となっている。

山林庁は「夜間発生の山火事はなかったが、出動準備は整えている」としているが、気候変動により火災リスクが増す中、実効的な体制整備が急がれる。

(c)news1

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