
韓国には、豚の頭部に現金を供えて縁起を担ぐという風習がある。ただ、これが選挙制度上の不正行為とみなされる事例が相次ぎ、物議をかもしている。
まずは、江原道(カンウォンド)のある地方議会の補欠選挙に絡む出来事だ。
ある候補者が2024年1月1日、道内で開かれたある行事で豚の頭に現金5万ウォン(約5500円)を供えた。
ただ、この候補者はその3日前の行事で「選挙に勝ち、皆が恥をかかないようにする」と“支持を求めたと受け止められる発言”をしていた。
結局、「現金を供えた」行為が公職選挙法違反の罪に問われ、罰金90万ウォン(約9万9000円)の判決を受けた。
裁判の過程で、この候補者は「公開の場での慣習的な行為であり、違法との認識はなかった」と主張したが、裁判所は「立候補説明会に参加し、寄付行為が制限されることを認識していた」として退けた。
このほか、最大野党「共に民主党」から国会議員を目指していたキム・ドギュン江原道党委員長(当時)が2023年3月、サッカーチームの新年会で豚の頭に現金を供えたことが問題視された。
検察はこの行為を公職選挙法と政治資金法違反とみなし、キム・ドギュン氏を起訴して罰金500万ウォン(約55万円)を求刑している。判決は3月21日に予定されており、裁判所の判断に注目が集まっている。
韓国では公選法違反罪で罰金100万ウォン(約11万円)以上の有罪判決を受けると、被選挙権が5年間制限される。
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